六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理工場の完成遅れを巡り、関西電力の森望社長は25日の会見で、日本原燃への支援体制について「要請があれば応えられることがないか検討する」と述べました。電気事業連合会が日本原燃の経営支援を強化する方針を発表していることを踏まえたものです。
それとは別に関電は25日、25年大阪・関西万博の会場に水素由来の電力の供給を目指すことも発表しました。水素ガスによる発電には、水素ガスをNLPガスの代替として用いる方式と水の電気分解の逆工程で水素ガスで燃料電池を作動させ発電する方式があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
関西電力、森望社長 原燃への支援「要請あれば検討」 再処理工場完成延期を受け
産経新聞 2024/9/25
青森県六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理工場の完成遅れを巡り、関西電力の森望社長は25日の会見で、日本原燃への支援体制について「要請があれば応えられることがないか検討する」と述べた。関電は原子力規制委員会の審査対応などの支援のため技術者らを派遣しているが、必要に応じて支援を強化する。
関電は昨年、福井県内に立地する原発構内でたまり続ける使用済み核燃料搬出の工程表を策定。しかし、搬出先としていた日本原燃の再処理工場の完成が2年半延期され、工程表の見直しを余儀なくされている。
森社長は、電気事業連合会が日本原燃の経営支援を強化する方針を発表していることを踏まえ、「実務面、経営面を含めて関与する。電気事業者だけでなく、メーカーやゼネコンを含めた体制で支えていくことが私にとっての責務」と発言。
規制委による施設の安全面の審査が課題となっていることから「審査をする側と受ける側のコミュニケーションをうまくやらないといけない」とした。
また、関電は25日、2025年大阪・関西万博の会場に水素由来の電力の供給を目指すことも発表した。関電は1970年の万博で美浜原発1号機(福井県美浜町)から「原子の灯」を会場に届けている。55年を経た万博では、水素、原子力、太陽光、水力による発電を組み合わせた二酸化炭素を排出しないゼロカーボンの電力供給を目標とする。
会場内を走る電気自動車(EV)のバスの停留所を関電が設置することも発表。会場内の3カ所に未来社会をイメージしたバス停を建築するとしている。(桑島浩任)