原子力規制委で原発の地震・津波対策などの審査を担当した石渡明委員と核燃料施設などの審査を担当した田中知委員が、2期10年の任期満了に伴い19日付で退任しました。
石渡氏は、原子炉等規制法のいわゆる「40年ルール」を改定し、60年を超えた運転を可能にする案を決定した会合で、5人の委員のうち1人だけ反対したことで知られています。このことについては「法律を守ることが規制委員会の委員としての使命。『40年ルール』をなくしてしまうということについては、私としては納得できないという思いがあった」と語りました。
田中氏は、「世の中どのように動いているのかと原子力状況がどうだってことを状況をよく勉強しながら、『孤立しない独立』ということをいつもずっと10年間意識しながらやってきた」と述べました。もしも「孤立しない」という言葉が規制委内での協調を意味するのであれば、それは違うと思いますが。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原子力規制委員会の石渡明委員・田中知委員が任期満了に伴い退任 2人は2014年から原発審査を担当
TBS NEWS 2024//9/19
原子力規制委員会で原発の地震・津波対策などの審査を担当した石渡明委員と核燃料施設などの審査を担当した田中知委員が任期満了に伴い、きょう付で退任しました。
石渡明委員と田中知委員はともに2014年9月に原子力規制委員会の委員に就任し、きょう、2期目の任期を迎え、退任会見を行いました。
石渡委員は原発の地震・津波対策などの審査を主導。今年7月、敦賀原発2号機の原子炉の真下にある断層が活断層であることを否定できないとして、再稼働の前提となる新しい規制基準に適合しないと判断したことについて、石渡委員は「時間をかけて審査をしてきて、一定の結論が出た。それが全てだと思っている」と述べました。
また、原発の運転期間を原則40年、最長60年と定めていた原子炉等規制法のいわゆる「40年ルール」を改正し、60年を超えた運転を可能にする案を決定した会合で、5人の委員のうち1人だけ反対したことについては「法律を守ることが規制委員会の委員としての使命。『40年ルール』をなくしてしまうということについては、私としては納得できないという思いがあった」と振り返りました。
一方、田中委員は青森県六ヶ所村にある使用済み燃料の再処理工場などの審査を担当しました。審査を振り返って、「再処理工場は日本であそこにしかない。審査でどう見ていくのか時間がかかったが、それなりに今後、何をしないといけないかわかってきたと思っている」としました。
石渡委員の後任には、地震学者で日本地震学会会長や地震予知連絡会会長などを歴任した山岡耕春氏が、田中委員の後任には、原子力工学の専門家で放射性廃棄物に詳しい長崎晋也氏があす付で就任します。
原子力規制委の2委員が退任「『孤立しない独立』を意識しやってきた」などと振り返り
ANNテレビ朝日 2024/9/19
原子力規制委員会で10年間委員を務めた2人の専門家が退任会見に臨み、「『孤立しない独立』を意識しながらやってきた」などと振り返りました。
原子力規制委員会 田中知委員
「世の中どのように動いているのかと原子力状況がどうだってことを状況をよく勉強しながら、『孤立しない独立』ということをいつもずっと10年間意識しながらやってきた」
原子力規制委員会 石渡明委員
「一番印象的だったのは大学で育てた技術者・専門家が審査のこちら側にもいますし、向こう側にもいる訳です。我々の教育というのがちゃんとできていたかどうか、目の当たりに我々が認識できる厳しい場だったと考えております」
田中知氏と石渡明氏は規制委員会の委員を2014年から10年間務め、18日に任期満了に伴い退任しました。
2人の後任は、19日付でカナダ・マクマスター大学の長崎晋也元教授(61)と名古屋大学の山岡耕春名誉教授(65)が就任する予定です。