2024年9月28日土曜日

不具合カメラの調査続く 燃料デブリ取り出し再開は10月以降に 福島第一原発

 福島第1原発2号機の核燃料デブリの試験的取り出しが再び中断した問題で、東電は26日、先端付近にあるカメラ2台の外観からは目立った異常は見られなかったとし、原子炉格納容器内の非常に高い放射線がカメラの半導体に影響したと推定しました。しかしこれは当初から分かっていたことで、累積4万9000シーベルトの放射線に耐えられる設計になっているはずでした。

 トラブルが相次ぐことに対して、原子力損害賠償・廃炉等支援機構は27日の会見で、今後の廃炉作業にあたっては、東電が責任を持って監督・管理する必要性があると強調し、管理体制の徹底を求めました。それぞれ十分な準備期間を取っているはずなのに、蓋を開ける度にこんなことの繰り返しでは先行きは真っ暗です。
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高線量、カメラに影響か デブリ採取装置、復旧へ数日間放電
                           福島民友 2024/09/27
 東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが再び中断した問題で、東電は26日、取り出し装置の先端付近にあるカメラ2台の外観を確認したところ、目立った異常は見られなかったと発表した。これまでも異常が見つかっていないことから原子炉格納容器内の非常に高い放射線がカメラの半導体に影響したと推定し、放射線影響の比較的少ない場所でカメラの電源を入れたり切ったりして復旧するかを確かめる。
 東電は、格納容器の外にある収納箱でカメラの外観を確かめた。これまでのほかの調査でもカメラやケーブル、接続端子などに異常はなく、原因を特定できていない。
 このため、カメラの電源を切った際に放射線の影響で電気が電子回路にたまった状態が発生、電源を入れた際に過剰な電流が流れて回路が停止したと考え、線量の比較的低い収納箱内で数日間にわたり放電する。カメラが復旧しない場合、カメラやケーブルの交換を予定しているという。
 東電によると、カメラは累積4万9000シーベルトの放射線に耐えられる設計で、カメラの映像が確認できなくなった17日の作業時で約6000シーベルト蓄積したと推定される。
 試験的取り出しは準備作業を行っていた17日に装置先端付近のカメラ2台の映像が確認できなくなり、中断した。装置にはカメラが4台あり、ほかの2台は正常に作動している。
 東電は14日に先端付近のカメラで撮影した画像を公開した。東電によると、2019年の調査時と大きな変化はなく、デブリや堆積物が見られたという。
 また、2号機の建屋内で起きたタンクの水位低下に関して、10月初旬にドローンを使った調査を行う。


不具合カメラの確認続く 燃料デブリ取り出し再開は10月以降に 東京電力福島第一原発
                      TUFテレビユー福島 2024/9/27
福島第一原発で中断している燃料デブリの取り出しについて、東京電力は27日も、不具合のあったカメラの確認作業を進めています。
福島第一原発2号機では10日、溶け落ちた核燃料=燃料デブリの試験的な取り出し作業に着手しましたが、17日に装置のカメラが映らなくなるトラブルがあり、作業を中断しています。
26日、東電は、このカメラで14日に撮影された格納容器内部の画像を初めて公開しました。カメラはこの後、映らなくなったということで、電源を入れたままにして、カメラが復旧するかを確認しています。
東電によりますと、格納容器の中は非常に高い放射線量で、これがカメラの半導体に影響を与え、必要な電圧が不足したと推定されています。27日の時点でカメラは復旧しておらず、取り出し作業の再開は、10月以降になる見通しです。


管理体制の徹底を 燃料デブリの試験的取り出し 廃炉作業に助言をする国の機関が東京電力に求める 
                           福島テレビ 2024/9/27
トラブルが相次ぐ燃料デブリの試験的取り出しについて、国の機関は東京電力に対して管理体制の徹底を求めた。
福島第一原発2号機では、燃料デブリの試験的取り出しがカメラの不具合で中断されるなどトラブルが相次いでいる。
廃炉作業への助言を行う原子力損害賠償・廃炉等支援機構は9月27日の会見で、東京電力は協力企業と一体となって安全第一に取り出しを行うことが最大の課題と指摘した。
原子力損害賠償・廃炉等支援機構の池上三六廃炉総括グループ長は「非常に大変な作業ではありますけれども、安全を第一にステップバイステップですすめていくと。まずは前人未踏の燃料デブリの取り出しというものをきちんと貫徹せねばならない」と述べた。
今後の廃炉作業にあたっては、東京電力が責任を持って監督・管理する必要性があると強調した。