2024年9月18日水曜日

18- 東電、デブリ採取の映像送れず カメラ不具合の原因特定急ぐ

 福島第1原発2号機で続いているデブリの試験的取り出しで、東電は17日、採取用のパイプ型装置の先端付近にあるカメラの映像が送信できない不具合により作業を中断しました。
 デブリをつかむ金属製の爪付近に取り付けた2台のみに不具合が生じたもので、原因として高濃度の放射線による故障が考えられます。東電は19年に実施した2号機格納容器の内部調査では、底部周辺で最大毎時7・6シーベルトの高線量が確認されたので、カメラはその状態で45日程度は使える仕様になっていると説明しました。放射線以外に原因が考えられない以上、本当にカメラがそれに堪え得るのか至急調査すべきです。
 課題がデブリの試験的取り出しに絞られてからの数年間、次々と事故が繰り返されるだけなのでこれでは進みようがありません。
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東電、デブリ採取の映像送れず カメラ不具合の原因特定急ぐ
                            福島民報 2024/9/18
 福島県の東京電力福島第1原発2号機で続いている溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出しで、東電は17日、採取用のパイプ型装置の先端付近にあるカメラの映像が送信できない不具合により作業を中断したと発表した。同日はデブリを装置でつかむ作業を予定していたが、原因を特定できなかったため再開を断念した。カメラは採取するデブリの選定などに不可欠で、東電は原因を特定した上で週内に再び作業着手を目指すが、状況次第では再開時期が延びる可能性もある。廃炉の最難関とされる作業の難しさが改めて浮き彫りとなった。

 東電によると、17日午前6時ごろ、作業を開始したが、原子炉格納容器内に入ったパイプ型装置の電源を入れたところ、先端のカメラ映像が遠隔操作室内のモニターに表示されないトラブルが起きた。装置には計4台のカメラが設置されているが、デブリをつかむ金属製の爪付近に取り付けた2台のみに不具合が生じた。電気は通っていたため、ケーブルの接続部分をつなぎ直すなど復旧を試みたが、改善しなかった。15日に装置の動作確認のため電源を入れた際は、4台のカメラの映像が正常に確認できていたという。
 東電が2019年に実施した2号機格納容器の内部調査では、デブリがあるとされる底部周辺で最大毎時76シーベルトの高線量が確認されている。今回のカメラは、格納容器内で少なくとも45日程度は使える仕様になっており、放射線による故障の影響は考えにくいという。
 17日に記者会見した東電の担当者は「四つのカメラ映像が見えないとデブリの取り出しは難しいと考えている」とし、18日も調査を続け復旧を急ぐ考えを示した。その上で「(パイプ型装置を)引き抜いてカメラを直接確認する可能性もゼロではない」とした。
 県原子力安全対策課は「原因究明と今後の対応について、分かり次第報告するよう東電に求めたい」としている。

 東電は10日にデブリの取り出し作業に着手。国や東電が定める工程表「中長期ロードマップ」の最終盤に当たる第3期に入った。14日から格納容器内のパイプ型装置に付いた操作用カメラの動作や視認性などを確認していた。当初は着手から2週間程度でのデブリ取り出しを想定していたが、計画通りの完了は不透明な状況となっている。


デブリ取り出し カメラ映らず原因を調査(福島)
                         KFB福島放送 2024/9/18
燃料デブリの試験的取り出しは、装置の先端にあるカメラの映像が映らなくなり、18日も作業を止めて、東京電力が原因を調べています。
福島第一原発の燃料デブリの試験的取り出しは、9月13日に取り出し装置を格納容器に押し込む作業が終わり、14日から装置の先端を吊り下げる動作の確認作業が行われていました。
東京電力によりますと、17日、取り出し装置に付いているカメラ4台のうち、先端部分に付けられた2台の映像が、遠隔操作室のモニターに映らなくなりました。
カメラはケーブルの差し替えや、装置の再起動を行っても復旧には至らず、東京電力は、作業を中断して原因を調べています。