2024年8月31日土曜日

規制委「補強工事に実現性ない」と 東海第2原発の防潮堤

 日本原電は29日、建設中に施工不備が見つかった東海第2原発(茨城県)の防潮堤について、不備があった基礎を残したまま補強工事で対応する方針を原子力規制委員会示しましたが、規制委側は「実現性の見通しが全く立っていない」として、具体的な設計や工事方法検討した再説明をするように求めました。

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規制委「補強工事に実現性ない」 東海第2原発の防潮堤
                            共同通信 2024/8/29
 日本原子力発電は29日、建設中に施工不備が見つかった東海第2原発(茨城県)の防潮堤について、不備があった基礎を残したまま補強工事で対応する方針を原子力規制委員会の会合で示した。具体的な設計や工事方法は今後検討するとしたため、規制委側は「実現性の見通しが全く立っていない」として、検討後の再説明を求めた
 不備があったのは柱状の基礎。外枠部分に流し込んだコンクリートが複数箇所で十分に詰まっていなかったほか、鉄筋が変形していた。
 会合で原電は、外枠を撤去すれば工事が長期化し、近くの重要設備に影響する恐れがあると説明。


「適時適切な情報提供を」 茨城・東海村長 東海第2安全工事延期巡り
                            茨城新聞 2024/8/31
日本原子力発電(原電)東海第2原発(茨城県東海村白方)の安全対策工事で、原電が終了時期を9月から2026年12月に延期したことを受け、山田修村長は30日の定例記者会見で「(発表まで)時間がかかったなというのが率直なところ。事業者の信用に関わる話なので、進捗(しんちょく)状況は適時、適切に情報提供してほしい」と、公表を巡る姿勢に注文を付けた
延期の要因となった防潮堤の施工不備について、「安全対策工事は設備だけでなく、土木や地盤工事も含めたトータルなもの。体制を整備し、それぞれの課題にきちんと対応してもらいたい」と述べた。
原子力規制委員会で防潮堤の具体的な工事手法の審査が続く中で、新たな完了時期を26年12月としたことについて、「現時点で事業者が考える工期だと受け止めている。今後、規制委の審査状況を見ていく」と注視する姿勢を示した。
東海第2原発は18年9月に規制委の新規制基準適合審査に合格。再稼働に必要な安全対策工事を今年9月に終える予定だったが、昨年6月に建設中の防潮堤に不備が見つかった。原電は今月23日、3回目となる工事完了の延期を発表した。