福島第一原発で23年8月に始まったトリチウム水の海洋放出に関連して、東電は7月31日時点で約180件、320億円の賠償支払いを完了しました。
中国の禁輸措置でホタテやナマコが取引中止になった損害が多くを占め、1か月で約130億円増加しました。
トリチウム水の処分法については、海洋放出が全部で34億円ほどで済むからと規制委がこの案に飛びついた経緯があります。しかし原発事故で生じたデブリ880トン相当のトリチウム廃液の海洋放出と、定常運転時のトリチウム希薄水の海洋放出は一緒に出来るものではないので、中国側は納得しません(定常運転分はトリチウム水として分離できないのに対して、デブリ接触起因では最初から分離できている)。
この分では当初の5種類の処分案中で最も高額な処理法になりそうです。
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<福島第一原発>
処理水放出に伴う賠償は前月から130億円増 中国の禁輸措置などの影響続く
福島テレビ 2024/8/6
福島第一原子力発電所で2023年8月に始まった処理水の海洋放出をめぐり、東京電力は7月31日時点で約180件、320億円の賠償支払いを完了したと公表した。
中国の禁輸措置などによるホタテやナマコの取引中止の損害が多くを占め、1か月で約130億円増加した。
東京電力にはこれまで約2900件の賠償に関する問い合わせが寄せられ、そのうち550件ほどから請求書類を受け取っているという。
第一原発ではこれまでに7回、累計でタンク55基分ほど、約5万5千トンが海水で薄められて海に放出されている。
次の放出は8月7日から開始される計画。