しんぶん赤旗に掲題の「主張」が載りました。
日本原電 敦賀原発2号機に関しては「規制基準に不適合」の結論が出されましたが、原電は再稼働の可能性を求めて地盤の調査を続行する意向を示しています。
しかし「不適合」は過去10年以上を費やして得られた結論であり、その間、原電には技術会社に求められる「真実に対する誠実さ」が大いに欠落していたことも明らかにされました。
もともと大地震に襲われる恐れのある原発を徒に放置するのは危険なことなので、不明朗な理由で存続し続けることは避けなければなりません。
しかも原電敦賀2号機には社員1200人弱がいて、福島原発事故後の13年間で5電力が原電に支払った「基本料金」名目の金額は約1兆4千億円(1080億円/年)に上りました。その原資が通常の電気料に含まれていることはいうまでもありません。
原電は早急に転身を図るべきです。
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(主張) 敦賀2号機「不適合」 危険性直視し廃炉を決断せよ
しんぶん赤旗 2024年8月18日
建ててはいけない場所に建てられた原発は廃炉にするしかありません。日本原子力発電の敦賀原発2号機です。原子炉建屋直下の断層が活断層である可能性を否定できないとして、原子力規制委員会は審査で規制基準に適合していないとの結論を出しました。2013年の規制基準制定以来、初の不適合判定です。
11年の東日本大震災の後、全国の原発で敷地内の断層調査が行われ、敦賀2号機の原子炉建屋直下にある断層は活断層だとされました。日本原電は問題の断層は活断層でないとして、15年に規制基準適合審査を申請しました。しかし、9年にわたる調査、検討の結果、その主張は退けられたのです。
基準不適合で運転はできませんが、直ちに設置許可取り消しとなるわけではなく、日本原電は追加調査もして再審査をめざすとしています。しかし、これまでの審査の過程では、1千カ所を超える書類の誤記、地質データの書き換えなど、原発を扱う会社としての最低限の技術的能力や誠実さが疑われる実態もあらわになりました。
■厳しい対応をとれ
そのような事業者の言い分をズルズルと聞き続けた規制委員会の姿勢に、甘すぎるとの批判があるのも当然です。国民の安全を守る立場にたち、設置許可取り消しも視野に入れた厳しい対応をとるべきです。
原子炉等規制法は、原発の位置、構造、設備について「災害の防止上支障がないもの」であることとしています。規制基準は、地震によって安全機能が損なわれないことだけでなく、原子炉建屋等の重要施設が設置される地盤には、将来活動する可能性のある断層等(活断層)が露出していないことを確認するよう求めています。断層活動による地盤のずれについて、建屋の基礎に作用する力を予測しあらかじめ対処することは困難だからです。
もし建屋の地盤が断層活動で上下左右に大きくずれれば、原子炉建屋の損傷、冷却上重要な配管の損傷などは避けがたく、東京電力福島第1原発のような重大事故に至る危険があります。地震を甘く見ることは許されません。
■国民に無用の負担
日本原電は、敦賀原発と東海第2原発の電気を関西、中部、北陸、東京、東北の5電力に売る卸電力会社です。現在は、両原発とも稼働していませんが、再稼働を前提に5電力が「基本料金」を払っており、これが再稼働準備のための調査・工事などの原資となっています。
福島原発事故後の13年間で5電力が払った「基本料金」約1兆4千億円は、電気料金として国民に転嫁されてきました。日本原電や電力会社は、原発に執着して国民に無用の負担を押し付け続けることはやめるべきです。
日本原電が基準不適合だと宣告されてもあきらめないのは自公政権の原発回帰路線があるからです。地震大国日本で原発がいかに危険かは福島原発事故で明らかです。電力供給でみても、いま原発は5%程度にすぎず、再生可能エネルギーの4分の1です。再エネ中心に転換するために、原発固執の自民党政治そのものを退場させましょう。