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12.05
過去最高値130万ベクレル 福島第1原発・海側井戸水 (福島民友ニュース)
東京電力福島第1原発で相次ぐ汚染水問題で、東電は4日、福島第1原発の海側にある観測用井戸の水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が、過去最高値の1リットル当たり130万ベクレルの高濃度で検出されたと発表した。水は2日に採取。同じ井戸で11月28日に採取した110万ベクレルを上回り、上昇傾向が続いている。
ベータ線を出す放射性物質の半分程度を占めるストロンチウム90を原発外に放出する際の法定基準は1リットル当たり30ベクレルで、今回の数値は4万3000倍以上に当たる。海側では汚染された地下水が海に流れ出るのを防ぐため、護岸の地中を薬液で固める「土の壁」を造成しており、東電は「海洋への影響はない」と流出を否定している。
セシウムじわり上昇 地下水混ざり海洋汚染 福島第一 (東京新聞)
東京電力福島第一原発2、3号機の取水口付近で、海水中の放射性セシウムの濃度上昇が続いている。周辺で採取された地下水の汚染度も高い。東電は、海への汚染はひどくないと強調するが、さまざまなデータを見る限り、事故発生から千日たっても、海洋汚染は続いている。 (清水祐樹)
東電が公表している海水の分析結果をグラフ化してみると、海水のセシウム濃度の上昇が目立つのが2号機前の取水口だ。半年前は一リットル当たり二〇ベクレル前後だったのに、最近は八〇ベクレルを超え、さらに上昇しそうな勢いだ。
3号機前の取水口でも、緩やかながら、濃度はじりじりと上がり続けている。
上昇傾向について東電に問うと、尾野昌之原子力・立地本部長代理は四日の記者会見で「長期的に見て、遮水壁の内側では上昇傾向にあるが、壁で水の動きが抑えられているため。外側では変化がない」と説明。壁と取水口との間で、海水がよどみ、濃くなっているとの見解だった。
確かにその可能性もあるが、壁の外側の防潮堤近くで採取された海水でも、セシウム濃度はじりじり上昇する傾向にある。
この点は原子力規制委員会の汚染水対策を検討する作業部会でも問題となった。規制委担当者が「内側にセシウムがたまって上昇しているなら、外側はセシウムの供給が減って濃度が低下しないとおかしい」と指摘すると、他の専門家も首をかしげるばかりだった。
確実なのは海側敷地の地下トンネルに、大量の高濃度汚染水がたまっていること。建屋地下から地中に漏れている可能性も高い。2号機海側の観測用井戸では二日に採取した水から、ストロンチウムなどが過去最高の一三〇万ベクレルと、放出限度の数万倍の濃度で検出された。こうした汚染水と地下水が混ざり海への汚染は続いている。
東電は海の遮水壁のほか地中に薬液を注入して壁状に固めたり、地下水をくみ上げて建屋に戻したりする対策を進めている。ただ、現実には抜本的な解決にはなっていない。
12.04
「トリチウム水放出も選択肢」=福島第1廃炉でIAEA調査団 (時事通信)
東京電力福島第1原発の廃炉に向けた取り組み検証のため、日本を訪れている国際原子力機関(IAEA)の調査団は4日、検証結果をまとめ、最終的に除去できない放射性物質のトリチウムを含んだ水の扱いについて、「基準値以下なら放出することも含め、東電はあらゆる選択肢を検証すべきだ」と指摘した。
調査団は、4号機からの使用済み核燃料取り出しや汚染水対策などを重点的に調査。「多くの課題はあるが、日本政府と東電は汚染水問題を扱うため、包括的な対策を策定した」と一定の評価を与えた。
その上で、今後の取り組みとして、廃炉作業に伴って生じる放射性廃棄物の管理計画を立てることや、汚染水の増加抑制策を継続的に続けることなどを提案。多核種除去装置(ALPS)などで処理した後も残るトリチウムを含んだ水の放出についても「東電は安全と環境影響に関する適切な評価を実施すべきだ」とした。
美浜原発、建設時に危険性指摘 敷地内断層、米の地質専門家 (東京新聞)
関西電力美浜原発1号機(福井県)が建設中だった1967年ごろ、1号機建設を受注した米ウェスチングハウス社が派遣した地質専門家が、敷地内断層(破砕帯)について「少なくとも2万年間動いていないが、数十万年以内には動いていた」などと報告書で危険性を指摘していたことが4日、当時の関電幹部が作成した記録で分かった。
関電は念のため鉄筋コンクリートで地盤を補強し、断層直上に重要施設が入る原子炉補助建屋を設置。その後、2、3号機増設が続いた。(共同)
12.03
大飯原発「運転差し止めを」 京都地裁に856人追加提訴 (京都新聞
(4日「大飯原発運転差し止め訴訟 856人が追加提訴」本文記事参照
第1原発・淡水化装置で水漏れ 点検徹底されず 福島民友ニュース)
東京電力は2日、福島第1原発で原子炉冷却後の水の塩分を取り除く淡水化装置で、汚染水を一連の浄化装置に送り込む作動弁から水が漏れたと発表した。作動弁の接合部に挟んでいた止水材(パッキン)が劣化し、摩耗したことが原因としている。作動弁は装置の稼働時に開閉を繰り返しており「止水材の劣化は予想されていた」(東電関係者)が、東電は点検を徹底していなかった。汚染水管理をめぐる危機管理の甘さが依然、厳しく問われる状況だ。
漏えい量について東電は1リットルと推定。装置を囲む堰(せき)内にとどまり、東電は「外部への流出はない」としている。11月上旬の測定では汚染水のベータ線を出す放射性物質濃度は1リットル当たり数千万ベクレルだった。
淡水化装置は他に2系統あり、県は同日、東電に対し、作動弁に同様の不具合がないかどうかを早急に確認するよう申し入れた。
漏えい量について東電は1リットルと推定。装置を囲む堰(せき)内にとどまり、東電は「外部への流出はない」としている。11月上旬の測定では汚染水のベータ線を出す放射性物質濃度は1リットル当たり数千万ベクレルだった。
淡水化装置は他に2系統あり、県は同日、東電に対し、作動弁に同様の不具合がないかどうかを早急に確認するよう申し入れた。
東電提出拒否に原告が抗議声明 津波到達予測データ (福島民報)
東京電力福島第一原発事故の被災者でつくる福島原発訴訟原告団が東電に慰謝料などを求めた訴訟で、東電が津波到達予測データの提出を拒否したことを受け、原告団は2日、抗議声明文を発表した。同日、東電と監督官庁の経済産業省資源エネルギー庁に提出した。
県庁で会見した馬奈木厳太郎弁護士は「東電は被災者と真剣に向き合っていない。極めて不当」と批判した。
原告団は「(データは)津波対策を怠った過失を明らかにする必要な証拠」と主張しており、11月の第3回口頭弁論で裁判所が提出求める決定を下した。しかし、東電は「訴訟で過失を争う必要性はない」として拒否していた。
東電は「個別の訴訟について、コメントは差し控える」とした。
原発新設、エネ基本計画に盛り込まず 経産省方針 (朝日新聞)
経済産業省は、原発政策の骨格を決める「エネルギー基本計画」で、原発の新増設の方針を見送る方向で調整に入った。東京電力福島第一原発の汚染水問題などをめぐり、原発への「不信」が依然として根強いことから、長期の原発維持につながる新増設の判断を来年以降に先送りする。
基本計画は、政府の中長期的なエネルギー政策の方向性を定めるもので、約3年に1回見直している。経産省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で年内に案をまとめ、年明けの閣議決定をめざす。
ノルウェーのKLPが東電株を売却、福島原発事故への対応が理由 (ロイター)
ノルウェーの生命保険会社、KLPの幹部は2日、保有する東京電力株を売却したと明らかにした。福島原発事故後の状況などを理由に挙げた。
同社の総資産は3750億ノルウェークローネ(613億2000万ドル)相当に上る。最近数週間内に、800万ノルウェークローネ相当の東電株をすべて売却したという。
同社の投資関係者は「福島が理由」と指摘。「3年近く経つのに、状況は制御されていない。さらなる放射能汚染のリスクも残っている」と述べた。
東電の広報担当者から現時点でコメントは得られていない。
大熊町 原発事故賠償の差額補填へ (NHK)
(3日「大熊町 国のつけた原発事故賠償格差を町で均等に補填」本文記事参照)
12.02
原発、海側井戸110万ベクレル 福島第1、高濃度最高値を更新 (東京新聞)
東京電力は2日、福島第1原発の海側敷地にある観測用井戸の水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり110万ベクレルの高濃度で検出されたと発表した。水は11月28日に採取した。同じ井戸でこれまでの最高値だった91万ベクレルからさらに上昇した。
井戸は2号機の東側にあり、海まで約40メートル。2011年の事故直後に極めて高濃度の汚染水が漏れたトレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)に近い。ストロンチウム90を海に放出する際の法定基準は1リットル当たり30ベクレル。 (共同)
(2日「福島第1原発・破損燃料80体 柏崎刈羽にも38本」本文記事参照)
12.01
再稼働反対集会に8千人 愛媛・伊方原発、鎌田氏ら訴え (朝日新聞)
(2日「四電伊方原発 再稼働反対集会に8,000人」本文記事参照)