自民党の脱原発派の議連(エネルギー政策議員連盟)が、政府のエネルギー基本計画を抜本的に見直すよう求める提言案をまとめたということです。1月上旬の会合で提言案を最終確認後、政府に提出されます。
提言案は、昨年の衆院選で「原子力に依存しない社会の確立」を公約したとおり、依存度を下げる行程表を示すべきこと、原発の新増設はリプレース(更新)を含めて認めないこと、また再稼働に関しては、原発から30キロ圏内の地元合意をルール化し、事故時の賠償に必要な保険加入を電力会社に義務付ける、などとしています。
もともとこうした多様性が自民党の本来のあり方とされて来ました。
いま安倍政権が妥結を目指しているTPP協定も、当初は自民党内にも過半数の慎重・反対派がいました。それなのに自民党が政権の座に着くと、全くなりをひそめてしまったのはなんとも不可解なことです。
脱原発の新議連は、原発推進に邁進する安倍政権の抑止力になって欲しいものです。
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原発新増設認めない 自民議連、政府に提言へ
東京新聞 2013年12月30日
自民党で脱原発を掲げるエネルギー政策議員連盟(代表世話人・河野太郎副幹事長ら)が、一月に閣議決定される政府のエネルギー基本計画を抜本的に見直すよう求める提言案をまとめたことが二十九日、分かった。原発を「過渡期の電源」と位置付け、原発が「重要なベース電源」だとして再稼働推進を明記する基本計画案と一線を画す。政権内で原発推進、脱原発両派の対立が激化しそうだ。
議連は一月上旬の会合で提言案を最終確認後、政府に提出する。原発推進派でつくる自民党の電力安定供給推進議員連盟(細田博之会長)は十二月十七日、新増設やリプレース(既存炉の新型炉への置き換え)の必要性を指摘する提言をまとめ、官邸に提出している。
エネルギー政策議連の提言案は、自民党が昨年の衆院選で「原子力に依存しない社会の確立」を公約したことを踏まえ、依存度を下げる行程表を示すべきだと主張。新増設に言及していない政府の基本計画案に対し、リプレースを含めて認めない姿勢を明確にした。
再稼働に関して、原発から三十キロ圏内の地元合意をルール化し「事故時の賠償に必要な保険加入を電力会社に義務付ける」ことも盛り込んだ。