自然エネルギー財団の試算によれば、原発の発電コストは政府試算額の2倍であることが分かりました。
政府はこれまで発電コストは、原発:8.9~円(kWh当たり 以下同)、石炭火力:10.3~10.6円、LNG(液化天然ガス)発電:10.9~11.4円であり、原発が一番安いとする数字を公表してきました。しかし最新の安全装置を義務付け、使用済み核燃料を全て再処理すると仮定すると、原発の発電コストは17.4~円となり、火力発電を大幅に上回ることが分かりました。
原発が炭酸ガスを生成しないという言い分も全くの欺瞞です。
まずウランを採掘しウラン235が4%前後になるまで濃縮精製する過程で莫大なエネルギーを消費(=炭酸ガスを生成)しますし、使用済み核燃料の再処理工程でも同様です。また地下数百mに莫大な費用をかけて保管場所を作り(日本にはそうした安定な地盤は存在しないといわれていますが・・)、少なくてもこの先、数千年間管理するのにも莫大なエネルギー=炭酸ガス排出 を要します。
コスト面で全くメリットのない原発の再稼動に電力会社が熱心なのは、これまで莫大な量の核燃料買い置きしているからで、それを使う限りでは新たな出費がないからです。
自分たちの利益を確保するためには日本全体が危険に陥っても仕方がない、というのがいまの電力会社の論理です。
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原発コスト、政府試算の倍 ガスや風力上回ると自然エネ財団
東京新聞 2013年12月5日
最新の安全装置を義務づけ、使用済み核燃料を全て再処理すると仮定した場合、原発の発電コストは1キロワット時当たり最大17・4円と、民主党政権時代に行われた政府の試算値の約2倍になるとの試算を自然エネルギー財団(東京)の研究グループが5日までにまとめた。
海外の最新の動きを踏まえて、より現実的なコストを試算したという。天然ガス火力や平地に設置された風力発電のコストを上回ることになり、同財団は「経済的メリット失った原発から脱却し、再生可能エネルギーや省エネに基礎を置いた成長戦略を」と訴えている。(共同)