2013年12月8日日曜日

原発・放射能ニュース 2013.12.06~10


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12.10
 
トリチウム2万ベクレルを検出 漏えいタンク東側井戸 (福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発の地上タンクから汚染水約300トンが漏れた問題で、東電は9日、漏えいタンク近くの観測用井戸の地下水から、放射性トリチウム(三重水素)が過去最高値の1リットル当たり2万ベクレルを検出したと発表した。
  この井戸は、漏えいタンクの東側約30メートルの場所にある。水は7日に採取した。同じ井戸からは11月13日と今月5日にそれぞれ1リットル当たり1万7000ベクレルを検出していたが、濃度がさらに上昇した。ストロンチウム90などの強いベータ線を出す放射性物質の検出値は最高で11月6日採取分の28ベクレル。
  この井戸の下流(西側)約30メートルの井戸(漏えいタンクの北側約20メートル)では、すでに最大で79万ベクレル検出されており、漏えいした汚染水が上流部(東側)に拡散している恐れがある。東電は「継続的に監視し、汚染水の拡散状況を調べる」とした。
 
 
12.09
 
東電、港湾口の海水常時測定へ 汚染水の監視強化  (中日新聞)
 福島第1原発事故を受けた海洋モニタリングの在り方を話し合う原子力規制委員会の検討会が9日開かれ、東京電力は監視強化を目的に海水の放射性物質濃度を常時測定できる装置を港湾口など3カ所に設置する方針を明らかにした。
 敷地から海に高濃度汚染水が漏えいした際に早期の把握が可能になる。結果はリアルタイムで公開され、ホームページで閲覧できるようにする。
 国内の有識者のほか、第1原発の廃炉作業を検証した国際原子力機関(IAEA)の調査団からも常時測定を求める提言が出ていた。(共同)
 
12.09
 
中間貯蔵施設、14日に要請 環境相が福島県知事らに (東京新聞)
 東電福島第1原発事故に伴う除染で発生した汚染廃棄物などを長期保管する中間貯蔵施設をめぐり、環境省は9日、石原環境相と根本復興相が14日に福島市を訪れ、佐藤知事と地元4町長に建設への同意を要請すると発表した。
 中間貯蔵施設の建設見通しが不透明なことは除染遅れの原因の一つとなっている。国は来年の早い段階で同意を取り付け、4月にも工事に着手したい考え。井上環境副大臣は「施設の具体案や敷地の範囲、最終処分のあり方など国の基本的な考え方を伝える。できるだけ早く受け入れをお願いしたい」などと語った。(共同)
 
除染した水田で収穫したコメ、環境省食堂で使用 (読売新聞)
おにぎりを試食する環境省の井上信治副大臣(左から2番目)と浮島智子政務官(左端)ら 福島県の農産物を支援しようと、環境省は9日から、同省や厚生労働省などが入る東京・霞が関の中央合同庁舎第5号館の職員食堂で、除染した水田で試験的に収穫した同県川俣町と飯舘村産の米の提供を始めた。
 この米は、同町の避難指示解除準備区域と、同村の居住制限区域にある水田の一部で今年収穫された計540キロ・グラムの「ひとめぼれ」。除染事業を担当している環境省が、農地の表土を削り取るなどして試験的に作付けし、いずれも放射性物質は検出されていない。
 初日の9日は、環境省側が食堂に生産者を招き、提供された米で作ったおにぎりを試食。川俣町の生産者で、町内の仮設住宅で暮らす男性(58)は、「確実に除染すればおいしい米を作れることがわかり安心した」と話した。米は17日まで使用される。
 
12.08
 
中間貯蔵施設、双葉の候補地も「設置可」 環境省 年内3町に受け入れ要請 (福島民報)
 東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た土壌などを搬入する中間貯蔵施設の整備で、環境省は7日、双葉町の建設候補地で実施したボーリング調査から「設置可能」と判断した。有識者でつくる検討会に設置案を示し、了承された。既に調査を終えている大熊、楢葉両町を含め、候補地がある3町全てで、設置可能とする調査結果が出そろった。環境省は年内に3町と県に対し、受け入れを要請する。除染の推進に必要な中間貯蔵施設の整備は新たな段階に入る。
 設置案は東京都で開かれた中間貯蔵施設の安全対策検討会、環境保全対策検討会の合同会合で示され、了承された。会合で井上信治環境副大臣は「大きな一歩になった」と評価した。
 
12.07
 
チップ撤去後も放射能検査 知事答弁 (読売新聞)
 高島市の鴨川河川敷に放射性セシウムが付着した木材チップが投棄されている問題で、搬入に関わった業者が来年1月末までに全量を撤去する計画を県に伝えたことを受け、嘉田知事は6日の県議会本会議で、「住民の不安解消に向けて、円滑に作業が進むよう監視し、撤去後も放射能濃度を検査する。工程表通りに作業が進むよう確認するため、県の職員を毎日現場に派遣する」と述べた。
 また、11月13日に嘉田知事が福井正明・高島市長と面会した際、「(チップを)東京電力の前に持って行けないか。クリスマスプレゼントで」と発言したことについても本会議で県議から質問が出た。嘉田知事は「調整を進めていた県外の廃棄物処理施設での受け入れがダメになったという報告を(面会の)直前に受け、(東京電力への)怒りが込み上げていた。あくまでも汚染者が責任をもつべきだと思った」と、発言に至った心情を説明した。
 
双葉64%、大熊67%「戻らない」 帰還意向・住民調査 福島民友ニュース)
 復興庁が双葉、大熊両町の世帯主を対象に10月に実施した住民意向調査で、帰還の意向について「戻らないと決めている」と回答した世帯主は、双葉64.7%、大熊67.1%といずれも6割を超えた。同庁が6日発表した。「戻らない」と回答した割合は、約1年前に実施した前回調査から、双葉町は34.3ポイント、大熊町は24.8ポイント増えた。避難生活の長期化とともに、東京電力福島第1原発事故の収束や、帰還に向けた道筋が不透明な状況が続く中で、多くの人が帰還を断念している現実が浮き彫りになった。
  双葉町で昨年12月~今年1月に実施した中学生以上の全住民対象の調査では「戻りたいとは思わない」と回答した人は30.4%。大熊町は今年1月の前回調査で「戻らないと決めている」と回答した世帯主は42.3%だった。一方、「戻りたい」との回答は双葉10.3%、大熊8.6%で、前回調査と同水準にとどまった。
  今回の調査で「戻らないと決めている」と回答した世帯主の判断理由は、「原発の安全性に不安」(双葉69.5%、大熊71.2%)、「放射線量が低下せず不安」(双葉67.6%、大熊73.2%)、「水道水などの生活用水の安全性に不安」(双葉66.7%、大熊67.0%)など。
 
12.06
 
海側井戸で140万ベクレル 福島第1原発、上昇傾向続く
 (7日「海側井戸で140万ベクレル 福島原発 汚染の上昇続く」本文記事参照)
 
汚染水放出は「妥当」、米原子力規制委員長 (日経新聞)
 来日中のマクファーレン米原子力規制委員会(NRC)委員長は6日、米国大使館で記者会見し、東京電力福島第1原子力発電所から出る汚染水の海洋放出案について「日本の基準に従って放出するのは妥当だ」と述べた。国際原子力機関(IAEA)の調査団が4日、放射性物質の濃度が基準値以下になった汚染水の海洋放出を検討すべきだとの報告書をまとめていた。
 
排気筒下部で25シーベルト=最高値、再測定で推定-福島第1 (時事通信)
 東京電力は6日、福島第1原発の屋外で最も高い毎時10シーベルト以上の放射線量が測定された1、2号機主排気筒の根元を再測定した結果、表面付近で同25シーベルトに達する可能性があるとの推定を公表した。
 東電は2011年8月、1、2号機主排気筒(高さ約120メートル)下部にある非常用ガス処理系(SGTS)配管の接続部で、測定器の限界を超える毎時10シーベルト以上の極めて高い放射線量を計測した。