2013年12月7日土曜日

海側井戸で140万ベクレル 福島原発 汚染の上昇続く

 福島原発の海側敷地観測用井戸(海岸から40メートル)の水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が140万ベクレル検出されまし。これは過去最高値であり、汚染の度合いはこの数日間だけで50万ベクレル程も上昇しています。
 
    < 最近の汚染濃度の上昇経過 >
     採取日      ベーター線量
   12月 5日    140万ベクレル
   12月 2日    130万ベクレル
   11月28日    110万ベクレル
   11月2日     91万ベクレル
 
 東電は、「海側では護岸の地中を薬液で固める土の壁を造成しているので海洋への影響はない」と流出を否定していますが、阿武隈山系の地下水脈は原発敷地内に日量1000トンを流入させているので、土の壁』でそれらが阻止されるなどということはありません。原発の敷地内に日量1000トンの地下水が噴出していない以上、その土の壁を迂回して海に流れていることは明らかです。
 東電はメディアが反論をしないことをいいことに、いつもごまかしの説明をしています。
 
 原発の汚染水は「完全に制御」などされておらず、海洋の汚染はますます深刻の度合いを深めています。
 以下に関連の4回分の記事を紹介します。
 
追記1)
 原発の敷地はもともと川が流れていたところを上流でせき止めて造成しました。敷地の下層には透水層が存在して、そこを通った地下水は海岸線から10キロ沖合いに行ったところで海底から噴出していることも明らかになっています。海岸線から10キロの沖合いといえば、そろそろ漁獲区域に近いのではないでしょうか。
 
追記2)
 ストロンチウム90ベータ線を出す放射性物質の半分程度を占め、その排出基準は1リットル当たり30ベクレルです。ベータ線を放出する物質が海中生物の食物連鎖を通じて人間の体内に取り込まれた場合は、その近傍の細胞を徹底的に破壊するのでその害毒はセシウムの比ではありません。ストロンチウム90の半減期は28.9年です。
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海側井戸で140万ベクレル 福島第1原発、上昇傾向続く
東京新聞 2013年12月6日 22時09分
 東京電力は6日、福島第1原発の海側敷地にある観測用井戸の水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が、過去最高値となる1リットル当たり140万ベクレル検出されたと発表した。5日に採取した水で、2日採取の130万ベクレルを上回った。
 井戸は2号機の東側にあり、海まで約40メートル。11月28日に採取した水からは110万ベクレル検出されており、上昇傾向が続いている。護岸付近では、地下の汚染水が海に流れ出ないように地盤を固める工事が進んでいる。(共同)
 
過去最高値130万ベクレル 福島第1原発・海側井戸水
 福島民友ニュース 2013年12月5日
 東京電力福島第1原発で相次ぐ汚染水問題で、東電は4日、福島第1原発の海側にある観測用井戸の水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が、過去最高値の1リットル当たり130万ベクレルの高濃度で検出されたと発表した。水は2日に採取。同じ井戸で11月28日に採取した110万ベクレルを上回り、上昇傾向が続いている。
  ベータ線を出す放射性物質の半分程度を占めるストロンチウム90を原発外に放出する際の法定基準は1リットル当たり30ベクレルで、今回の数値は4万3000倍以上に当たる。海側では汚染された地下水が海に流れ出るのを防ぐため、護岸の地中を薬液で固める「土の壁」を造成しており、東電は「海洋への影響はない」と流出を否定している。
 
原発、海側井戸110万ベクレル 福島第1、高濃度最高値を更新
東京新聞 2013年12月2日
 東京電力は2日、福島第1原発の海側敷地にある観測用井戸の水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり110万ベクレルの高濃度で検出されたと発表した。水は11月28日に採取した。同じ井戸でこれまでの最高値だった91万ベクレルからさらに上昇した。
 井戸は2号機の東側にあり、海まで約40メートル。2011年の事故直後に極めて高濃度の汚染水が漏れたトレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)に近い。ストロンチウム90を海に放出する際の法定基準は1リットル当たり30ベクレル。 (共同)
 
海側井戸から91万ベクレル 第1原発、過去最高値
東京新聞 2013年11月26日
 東京電力は26日、福島第1原発の海側にある観測用井戸の水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり91万ベクレルの高い濃度で検出されたと発表した。
 ベータ線を出す放射性物質はこれまで、海側の別の井戸で7月に検出された90万ベクレルが最高だった。
 今回の井戸は2号機の東側で海まで約40メートル。水は25日に採取した。
 事故直後の2011年4月に極めて高濃度の汚染水の海洋流出が確認された作業用の穴から約40メートルしか離れていない。 (共同)