福島原発の海側敷地の観測用井戸(海岸から40メートル)水中に存在するストロンチウム90などの放射性物質量が、ついにベータ線ベースで210万ベクレルに達しました。
これはこれまでの最高値であり、11月下旬以降増加の一途をたどってきました。
採取日 ベーター線量
12月26日 210万ベクレル
12月19日 190万ベクレル
12月12日 180万ベクレル
12月 9日 150万ベクレル
12月 5日 140万ベクレル
12月 2日 130万ベクレル
11月28日 110万ベクレル
11月2※日 91万ベクレル
東電は「上昇の理由はよくわからない」としています。
極めて限定されたエリア内で起きている現象で、しかもその発生源は溶融核燃料と推定されているのに、それが1ヶ月間「単調増加」をしている理由がいまだに「よくわからない」とはあきれる話です。
本当に理由が分からないのであれば「無能」(解析能力なし)ですし、知っているのに知らない振りをしているのであれば「狡猾」です。
東電はこの間、「海側では護岸の地中を薬液で固める『土の壁』を造成しているので海洋への影響はない」と虚偽の説明※1をしたり、「井戸水をポンプで吸い上げているので汚染水が井戸付近に吸い上げられている可能性がある」と、これまた理解不能な説明※2をしてきました。
※1 2013年12月7日「海側井戸で140万ベクレル 福島原発 汚染の上昇続く」
※2 2013年12月12日「福島原発 ALPS本格運転、来年4月以降に」
そんな会社が本当に汚染水の問題を解決できるのか疑問です。
いずれにしても最高値のまま正月を迎えることになりました。
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地下水から210万ベクレル、過去最高 福島第一
朝日新聞 2013年12月28日
東京電力は27日、福島第一原発のタービン建屋東側の護岸の観測井戸で放射性ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットルあたり210万ベクレル検出されたと発表した。過去最高値という。
東電によると、検出されたのは1、2号機の取水口の間にある護岸の観測井戸で、26日に採取した地下水。これまでの最高値は19日に採取した190万ベクレルだった。この観測井戸では値の上昇傾向が続いているが、東電は「上昇の理由はよくわからない」としている。
(参考用 再掲)
福島第1原発・海側の井戸で150万ベクレル検出
福島民友ニュース 2013年12月11日
東京電力は10日、福島第1原発の海側にある観測用井戸の水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が過去最高値の1リットル当たり150万ベクレルの高濃度で検出されたと発表した。水は9日に採取。同じ井戸で5日に採取した140万ベクレルを更新し、濃度上昇が続いている。
海側の敷地では、汚染水が海に流出しないよう地下水をポンプで吸い上げており、東電は原因について「吸い上げの影響で汚染水が井戸付近に吸い上げられている可能性がある」としている。井戸は2号機の東側にあり、海までの距離は約40メートル。