2013年12月21日土曜日

原発・放射能ニュース 2013.12.21~25

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12.25
 
女川2号機審査27日申請 東北電、あす地元に対策説明(河北新報)
 女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の前提となる安全審査について、東北電力は原子力規制委員会への申請を27日に行う方針を固めた。申請に先立ち、26日に宮城県や立地自治体に対し、国の新規制基準への適合を目指す安全対策の内容を説明する。
 東北電の原発で安全審査を申請するのは初めて。女川原発は国内の原発で東日本大震災の震源地に最も近い上、一部設備が被害を受けており、規制委は慎重に審査を進めるとみられる。
 東北電は女川原発の再稼働時期を「2016年度以降」とし、地震・津波対策や重大事故発生時の電源確保策などをとりまとめてきた。安全審査の終了後、あらためて関係自治体に再稼働を要請する見通し。
 女川原発は全3基が冷温停止中で、いずれも定期検査が進められている。震災時、2号機は起動準備中だったため安全対策工事を進めやすい状況だった。
 国内の原発では北海道、関西、四国、九州、東京の5電力が再稼働に向けて計14基の安全審査を申請しており、いずれも審査が続いている。
 
避難住民対策 実効性に疑問 原発関連予算(東京新聞)
 原子力関係の予算では福島第一原発事故で避難している住民の対策費に二〇一三年度補正予算も含めて計一千六百億円が計上された。帰還を考える住民のために、個人への被ばく線量計の配布、地域に相談員の配置などを進め、個人ごとにきめ細かなケアを目指すとしている。 (岸本拓也)
 だが、先行的に個人に線量計を配った福島県伊達市では、線量計が家の中に置かれたままのケースが多いことが本紙の取材で判明している。実際より低い線量のデータが集まることで、住民の早期帰還をせかすだけになる恐れもある。
 地域に配置する相談員は放射線の知識だけでなく、被ばく線量を減らす方法などの助言する能力も必要。どう相談員を育成するか、国の具体策はこれからで、実効性はまだ見えない。
 
島根原発2号機、規制委に安全審査を申請 計8原発に(産経新聞)
 中国電力は25日、島根原発2号機(島根県)の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。規制委にはこれまでに関西電力など7原発14基が申請されており、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)の申請は、東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)に続き3基目となる。
 中国電によると、原発の耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)は600ガル。想定される津波の最高水位(基準津波)は最大9・5メートルで、すでに海抜15メートルの防波壁を設置し終えた。緊急時に原子炉格納容器の圧力を下げるフィルター付きベント(排気)設備を地下に設置する工事も進められ、平成26年5、6月の完成を目指す。
 
12.24
 
汚染水:せきから225トン流出…地中にしみ込む?(毎日新聞)
 東京電力福島第1原発の汚染水を貯蔵するタンク群を囲むコンクリート製のせき(2エリア)から放射性物質を含む水が漏れた問題で、東京電力は24日、新たに別の2エリアで、せき内の水位が低下したと発表した。計225トンが流出したと見られるが、せき外にぬれた痕跡がなく、東電は「地中にしみ込んだ可能性などが考えられ、今後調査する」と話す。
 東電によると、新たに水位が下がった1エリアでは、20日に約12センチあった水位が24日には約5センチに、もう1エリアは、20日の約12センチが24日に約1センチになっていた。せき内の水に含まれる放射性ストロンチウム90は、最大で1リットル当たり440ベクレルだった。せきからたまった雨水などを排出する東電の暫定基準は、ストロンチウム90が同10ベクレル未満。
 
島根原発2号機、あす安全審査申請へ 松江市が了承(朝日新聞)
 全国で唯一県庁所在地に立地する中国電力島根原発(松江市)の2号機について、松江市は24日午前、原子力規制委員会への安全審査申請を了承すると回答した。島根県も同日午後に正式に了承する予定で、これを受け、中国電力は25日に再稼働に向けた審査を申請する方針だ。
 この日午前、松浦正敬市長は、市役所を訪れた中国電力の苅田知英社長に、申請を認めるとした回答書を手渡した。合わせて、審査の過程で新たな安全性に関する事実が判明した場合は、その項目を申請に追加することなど6項目の要請事項も伝えた。県も同日午後、30キロ圏内の周辺自治体の意見を添えて、県として了承する意思を中国電力に伝える。
 苅田社長は「了承に心からお礼申し上げる。要請事項をしっかりと受け止め、真摯(しんし)に対応させていただく」と約束した。
 
12.23
 
12.22
 
福島第1原発事故:国の除染工程表を変更 最大3年間延長(毎日新聞)
 (24日「国の除染に3年の遅れ」本文記事参照)
 
タンクのせきで水漏れ=福島第1、継ぎ目から-東電(時事通信)
 東京電力は21日、福島第1原発の汚染水貯蔵タンク群を囲むせきの基礎部分の継ぎ目から、たまり水が漏れ出し、1.6トン程度が土壌に染み込んだとみられると発表した。東電が詳しい原因を調べている。
 東電によると、漏えいした場所に近いせき内の水を調べたところ、ベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり560ベクレル、ストロンチウム90が同93ベクレル検出され、東電が定めたストロンチウム90の排水暫定基準(同10ベクレル未満)を超えていた。
 
12.21
 
東電、全役職者を福島へ 賠償、除染など担当(東京新聞)
 東京電力が、五十五歳以上の一定の役職社員を原則として全員、福島第一原発事故に伴う福島県内での復興業務に投入する方向で検討していることが二十日、分かった。転勤後は賠償、除染、廃炉などの作業を担当する。併せて福島勤務の社員の給与を上乗せするなど待遇改善策も導入し、社員の士気を高める。
 東電は組織の効率化の一環として十ある支店を全廃し、それに伴って出る千人程度の人員を福島の復興業務に充てる方針。経験豊富なベテラン社員に現場のけん引役を担ってもらうことで、復興を加速するのが狙いだ。
 
東電除染 国が全額肩代わり 国民負担、追加の恐れ(東京新聞)
  (22日「東電の除染を国が全額肩代わり」本文記事参照)
 
第2廃炉意見書 大熊町議会可決(河北新報)
 福島第1原発事故で、福島県大熊町議会は20日、第1、第2原発の全10基の廃炉を求める意見書を可決した。
 意見書は「町民の願いは原発事故前の平穏な故郷を取り戻すこと。原発の安全性は失墜し、廃炉は避けられない」と指摘している。
 第2原発をめぐっては立地町の同県富岡、楢葉の両町議会が廃炉を要求する意見書を可決している。第1原発は東京電力が廃炉を決めている。
 
早期帰還者に1人90万円賠償 原発事故復興指針福島民友ニュース)
 政府は20日、原子力災害対策本部会議を開き、原発事故の早期帰還に伴う新たな賠償支払いを盛り込んだ東京電力福島第1原発事故の復興指針を決定した。政府は今後1~2年で避難指示を解除した地域に帰還した住民に、1人当たり約90万円を東京電力の賠償金として支払う方向で調整、精神的賠償金に上乗せして支払う。避難指示解除準備区域などが対象となる見通し。すでに避難指示が解除された旧緊急時避難準備区域は対象外となるとみられ、反発も予想される。
  政府は、避難指示解除準備区域のうち田村市都路地区で来春にも解除が見込まれていることなどを踏まえ、「早期帰還」の目安を原発事故から4年間とする方向で検討している。賠償金を支払う人の対象は、解除後数カ月~1年の間に、実際に解除区域内に帰還した住民のみとする方針だ。年齢などで差は付けず、一律90万円を想定している。
  政府は今後、「早期帰還」に該当する期限など詳細を詰め、東電に支払いを求める方針。