2013年12月16日月曜日

被曝「今も不安」85% 支援法「聞いたことがない」71% 那須(塩原)

 宇都宮大学「「福島乳幼児・妊産婦支援プロジェクト」が行ったアンケートで、幼児を持つ那須塩原、那須両市町の世帯の85%が被曝は今も不安」と回答し、71%が「子ども・被災者支援法について聞いたことがない」と回答したということです。
 
 期待を抱かせた「子ども・被災者支援法」は、制定後丸1年以上も放置していた挙句に、結局対象は福島県の極く一部に限定したものとなりました。そのうえ支援法に基づく新規の内容は殆どないという、あらゆる点で極めて不十分なものでした。
 
 このアンケート結果は、乳幼児妊産婦のいる世帯の抱く深刻な不安に対して、国が何らの救いの手も差し伸べていない実態を良く反映しています。
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被ばく「今も不安」85% 那須塩原と那須の子育て世帯
毎日新聞 2013年12月16日
 東京電力福島第1原発事故に伴い、今も子どもの外部、内部被ばくが不安-。幼児を持つ那須塩原、那須両市町の約2200世帯のうち、85%程度がこう回答したアンケート結果を15日、宇都宮大「福島乳幼児・妊産婦支援プロジェクト」が公表し、不安の根深さを浮き彫りにした。
 
 一方、原発事故の「子ども・被災者支援法」については「聞いたことがない」が約71%を占め、「目に見える支援が届いていない表れ」と分析した。
 
 アンケートは8~10月、両市町全42保育園・幼稚園中、38園に子どもを通わせる世帯を対象とした。回答者の大半は女性で回収率は約68%。東日本大震災の被害は続いており、支援ニーズが存在することや、その内容を明らかにする目的だ。同大で開かれた報告会で発表した。
 
 空間からの外部被ばくを防ぐ市町の住宅除染について「利用した」「今後利用」が計約41%、約29%が「予定なし」。未利用理由は「自宅線量が分からない」「除染が必要な線量ではないと判断」など。「事業を知らなかった」が約17%だった。
 
 飲食物による内部被ばくを調べる市町のホールボディーカウンター(WBC)検査は、子どもや大人が「利用した」「今後利用」を合わせ約47%、「予定なし」が約37%。未利用は「結果の評価方法が分からない」「日時の都合がつかない」「被ばくについて考えるとストレス」といった理由だ。「事業を知らなかった」が約15%。
 
 WBC検査後の健康不安は「大きくなった」「変わらない」が計約56%に上った。「将来影響が出るかも知れない」との思いがあるとみられ、清水奈名子准教授は「住民の安心を得るため、福島県と同様に継続的な健康調査が必要」と訴えた。