トリチウムを含んだ「処理水」(=排水)を海水で希釈してから海洋放出する方針について地元の理解が得られたという報道はまだありません。それなのに政府はタンクが満杯になるからということを口実にして、予定通り今年春から夏にかけて海洋放出を始めるようです。
中国政府はこれに対して16日、「日本側は核汚染水の海洋放出案を強行に許可し進めたが、これは極めて無責任なやり方だ」と非難しました。
福島県の漁業関係者からは「試験操業をふまえて今も本操業に向けてやっているのに、漁業者の意見を聞かないのか」「海洋に放出すれば今までの努力が水の泡になる」等の声が上がっています。
菅政権以後、この地元合意の約束の実行が見通せなくなっています。政府は約束通り地元の合意を取り付けるべきで、それを曖昧にして物事を進めるべきではありません。
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中国「極めて無責任なやり方だ」 福島第一原発「処理水」海洋放出の方針決定について日本政府を批判
TBS NEWSーJNN 2023/1/16
日本政府が東京電力福島第一原発の「処理水」を今年の春から夏ごろに海洋放出する方針を決定したことについて、中国政府は「極めて無責任なやり方だ」と強く非難しました。
日本政府は13日に開かれた関係閣僚会議で福島第一原発の「処理水」について、放出設備の工事完了や原子力規制委員会による検査などを経て、「今年春から夏ごろ」に海洋放出を開始する方針を決定しました。
これを受け、中国外務省の汪文斌報道官は16日の記者会見で日本側を強く非難しました。
中国外務省 汪文斌 報道官
「日本側は核汚染水の海洋放出案を強行に許可し進めたが、これは極めて無責任なやり方だ」
汪報道官は「中国側は環境や人々の健康に与える影響に重大な懸念を示してきたが、日本側は浄化装置の有効性などにおいて科学的な説明をしていない」と指摘。「日本は周辺国家や国際機構と十分な協議を行わずに、断りなく海洋放出を開始してはならない」と強調しました。
「努力が水の泡になる…」処理水「春から夏ごろ」海洋放出へ 漁業者から反対や風評対策求める声 福島
テレビユー福島 2023/1/13
政府は、13日に開かれた関係閣僚会議で、福島第一原発の処理水について、放出設備の工事完了や原子力規制委員会による検査などを経て、「今年春から夏ごろ」に海洋放出を始める方針を決定しました。
風評被害への対策として、全国の漁業者への支援として新たに500億円の基金を創設し、漁場の開拓にかかわる経費や燃料費などを支援していくことを盛り込みました。
この決定に、福島県いわき市の漁業関係者からは…
いわき市の漁師「今までやってきた試験操業をふまえて、今だって本操業に向けてやっているのに、漁業者の意見を聞かないで俺らはあくまで反対だ。死活問題に関わってくるからね。国はちゃんと説明責任があると思う。だから漁業者より消費者の方にもちゃんと説明責任を、これからどんどんやってもらいたい。放水ありきでなくて、みんなが納得するまでちゃんと徹底的にやってもらいたい」
また、海洋放出は、福島だけの問題ではないと強調しました。
いわき市の漁師「福島県だけの問題ではなくなる。海には潮の流れがあるから太平洋側全体に広がっちゃうから。みんなの理解なくてはこれから他の漁業者だって困ると思うよ」
仲買人からは、風評対策を求める声も聞かれました。
いわき市の仲買人「(国に求めるのは)しっかりとした対策。ようやく形ができた中で、今度処理水の問題では今までの努力が水の泡になっちゃう。万が一、風評が大変だ。生活を支えてくれるためには補償という形にしかもっていきようがない」