2014年2月20日木曜日

今度は地下水に濃厚なトリチウム 原子炉内温度計も破損

 福島第一原発2号機の海側にある観測用井戸で13日に採取した水から、放射性トリチウム(三重水素)が過去最高値の1リットル当たり2万3000ベクレル検出されました。
 ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質も同730ベクレル(17日採取)最高値を更新しました(先に500万ベクレルのストロンチウム90を検出した観測用井戸とは別の井戸です)
 東電は、2011(平成23)年3月の事故直後に、極めて高濃度の汚染水が海側の敷地内に流出したものが、地中で拡散している可能性が高い、と説明してるということですが、そうすると汚染水が地下水に移動するまで3年間を要したことになり、相変わらず釈然としない説明です
 
 また18日、福島第一原発2号機の原子炉内部の温度を測るため表面に取り付けられている温度計を、点検作業中に100ボルトの電圧をかけるところを誤って250ボルトの電圧をかけたためショートを起し破損させました新しい温度計と取り替えるまでには相当な時間が掛かるということです。
 原子炉内部を監視できる数少ない重要な計器を、こんな不注意なミスで破損させるとはまことにお粗末なことです。 
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トリチウム2万3000ベクレル 第1原発、海側井戸で最高値
福島民友ニュース 2014年2月19日
 東京電力は18日、福島第1原発2号機の海側にある観測用井戸で13日に採取した水から、放射性トリチウム(三重水素)が過去最高値の1リットル当たり2万3000ベクレル検出されたと発表した。ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質も同730ベクレル(17日採取)検出され、最高値を更新した。
 東電によると、この井戸のこれまでの最高値は、トリチウムが6日採取分の同1万9000ベクレル、ベータ線を出す放射性物質が13日採取分の同440ベクレル。この井戸の近くには、2011(平成23)年3月の事故直後に極めて高濃度の汚染水が漏れた電源ケーブルなどが通る地下道(トレンチ)がある。この井戸の周囲にある別の井戸2カ所でも放射性物質の濃度が上昇傾向にあり、過去に漏れた汚染水が海側の敷地の地中で拡散している可能性が高い。東電は、新たな井戸を掘り、汚染の拡散状況を調べる。
 
 
福島第一 原子炉の監視温度計 ミスで故障
NHK NEWS WEB 2014年2月20日
東京電力福島第一原子力発電所2号機で、原子炉の底に溶け落ちた核燃料を十分に冷やすことができているか監視するために設置された温度計が、点検作業のミスで故障しました。
残る1つの温度計で監視を続けていて、東京電力は復旧を急ぐことにしています。
 
東京電力によりますと、18日、福島第一原発2号機の原子炉内部の温度を測るため表面に取り付けられている温度計で異常が見つかりました。
調べたところ、温度計が正常に作動しているか確かめる点検作業で、100ボルトの電圧をかけるところを誤って250ボルトの電圧をかけたためショートして故障したということです。
2号機では、事故で原子炉の底に溶け落ちた核燃料を水で冷やし続けていますが、底の部分の温度を監視する温度計は、おととし故障が相次ぎ、今回の故障で残りは1つしかありません。
東京電力が公表したのは、異常を確認してから1日余りたった19日夜で、今回故障した温度計がもう1つの温度計とほぼ同じ20度余りを示していたため、すぐに故障と分からなかったとしています。
東京電力では、温度計を交換し復旧を急ぐことにしていますが、原子炉周辺は放射線量が高く原子炉格納容器の外から細い配管を通して設置するため、時間がかかる見通しだということです。