飯舘村長泥地区の住民約180人及び伊達市の住民約千人からの慰謝料請求について、紛争解決センターの和解案を拒否していた東電が7日、一転して和解案を受諾することを明らかにしました。
しかしこの段階でも東電の回答書は、「本来受諾できない内容だが、この申し立てに限り受諾する」という恩着せがましいもので、他からの申請は認めないとする傲慢なものでした。
本来マスメディアはこうした東電側の壁を打破する力を持っている筈ですが、東電が相手のときは決して発揮しようとはしません。
マスメディアとのそうした暗黙の連帯が東電を傲慢にしている可能性があります。
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被ばく不安の慰謝料 東電、一転支払いへ
東京新聞 2014年2月8日
福島県飯舘村長泥(ながどろ)地区の住民約百八十人が東京電力に損害賠償を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東京電力は被ばくによる不安への慰謝料を含む賠償金を支払う和解案を受諾した。七日、住民側弁護団が明らかにした。
伊達市の住民約千人が集団で申し立てたADRでも被ばく不安慰謝料を含む和解案を東電が受諾した。
いずれも今後、正式に和解手続きをする。弁護団によると、被ばく不安への慰謝料支払いを東電が受け入れるのは異例。
原子力損害賠償紛争解決センターが長泥地区について示した和解案は、被ばく不安への慰謝料として一人当たり五十万円(子どもと妊婦は百万円)を提示。東電は一部世帯に拒否する書面を出し、センターに再回答を求められていた。
弁護団によると、東電は長泥地区についての七日付の回答書で「本来受諾できない内容だが、申し立てから一年半が経過した。地区の事情に着目してこの申し立てに限り、受諾する」とした。一方で「被ばくの健康被害は認められず、慰謝料の考え方自体は受け入れられない」とも記載していた。