福島県以外での福島原発事故の影響を調べるために、茨城県東海村で行われた子どもの甲状腺超音波検診の中間報告が30日、筑波大付属病院(つくば市)でありました。
2013年9月までに受診した3,600人中、甲状腺異常で精密検査が必要と診断されたのは19人で、全体の0・5%でした。19人のほとんどが「しこり」で、2、3歳児が3人ずつと最多でした。
甲状腺に20ミリ以下の膿疱(のうほう)かまたは5ミリ以下のしこりが見つかり「経過観察」と診断されたのは1067人(32・4%)でした。32・4%という比率は、福島県の36%~44%を若干下回っています。
結果について検診を指揮する筑波大の原尚人教授は「悪性腫瘍が一人も見つかっておらず、住民に不安を与えるものは何一つない」と述べましたが、今後の推移が注目されます。
汚染が知られている福島県以外の地域でも、早急に子どもたちの甲状腺検査を行って欲しいものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
甲状腺検診 異常19人 全体の0.5%
東京新聞 2014年1月31日
東海村は、東京電力福島第一原発事故による子どもの健康被害を調べる甲状腺超音波検診の中間報告を三十日、筑波大付属病院(つくば市)で行った。二〇一三年九月までに受診した三千六百人中、甲状腺異常で精密検査が必要と診断されたのは十九人で、全体の0・5%だった。結果について検診を指揮する筑波大の原尚人(ひさと)教授(甲状腺外科)は「住民に不安を与えるものは何一つない」と述べた。 (林容史)
甲状腺に二十ミリ以下の膿疱(のうほう)か五ミリ以下のしこりが見つかり「経過観察」と診断されたのは千百六十七人(32・4%)。二十ミリを超える膿疱か五ミリを超えるしこりが見つかった十九人のほとんどが、しこりだった。二、三歳児が三人ずつで最も多かった。
会見で原教授は「悪性腫瘍が一人も見つかっておらず、精密検査の結果も心配するようなことは、まったくない。現時点での甲状腺異常は、ほかに要因がある。(今後も)個人的には福島の影響は少ないと考えている」と見解を示した。
検診は東日本大震災後に生まれた現在二~十五歳の幼児と小中学生を対象に一二年十一月から始めた。四千四十一人が受診を希望し、九割に当たる三千六百人が検査を済ませた。中間報告は今回で三回目。村は一四年度中に最終報告をまとめる方針。村は三十日の会見で、検診の対象となった子どもたちに対し、再検査を一六年四月から無料で行うことを明らかにした。