2014年2月28日金曜日

もしも浜岡原発の審査が通るなら・・・

  原子力規制委員会は27日、中部電力浜岡原発4号機(静岡県)について審査会合を開き、本格的な審査に入りました
 
 島崎委員長代理は「巨大地震の発生確率がほかの原発に比べてはるかに高い。震源域で何が起こるか知見も限られている」として、審査では地震の想定が妥当かどうかなどを慎重に確認する方針を示しました。
 また東電福島原発や柏崎刈羽原発と同じく、原子炉内の沸騰水=加熱蒸気で直接発電用タービンを廻す「沸騰水型」のため、事故時に原子炉内の圧を下げるため蒸気を放出する際に必要となる「フィルター付きベント」についても、詳細なデータで性能を説明するよう求めるとしています。
 
 浜岡原発は、将来必ず起こるとされている東海地震の震源域の中央付近に立地しているため、世界的に最も危ない原発であるとされています(英国フィナンシャル・タイムズなど)。
 福島原発では沖合いはるか130kmに震源がありましたが、浜岡原発は、直下にM8.4という巨大地震の震源があるので、直下型巨大地震が襲うことになります。現実に前回1854年の安政地震のときメートルの断層を生じました
 直下型地震の場合、原子炉を停止させるために制御棒を挿入する時間的余裕がないので、稼動状態のまま暴走しメルトダウンする惧れがあります。浜岡原発が過酷事故を起せば、放射能雲は偏西風に運ばれて関東圏、東北、山梨県、長野県の一部にまで直接的に被害を及ぼし、国の機能はほぼ壊滅します。
 
 こうした危険性から2003、市民団体「浜岡原発とめます本訴の会」27人が運転差し止めの訴訟起しましたが、例によって200710、静岡地裁原告の請求棄却の判決を下しました
 
 今回の申請では、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)を従来の最大加速度800ガルから1200ガルに引き上げたということですが、中越沖地震で柏崎刈羽原発のおいて最大2000ガル以上が記録されたことと比較しても、極めて不十分なものに思われます。
 
 もしもこの申請が却下されなければ、原子力規制委の存在価値はないに等しいことになります。
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浜岡原発 審査入り 4号機
東京新聞 2014年2月27日
 原子力規制委員会は二十七日、中部電力が再稼働を目指して申請した浜岡原発4号機(静岡県)について審査会合を開き、本格的な審査に入った。想定される南海トラフ巨大地震や津波への対策について質問が集中し、今後、厳格に審査する方針を示した。
 
 島崎邦彦委員長代理は「巨大地震の発生確率がほかの原発に比べてはるかに高い。震源域で何が起こるか知見も限られている」と指摘。審査では地震の想定が妥当かどうかなどを慎重に確認する方針を伝えた。
 浜岡原発は東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型。事故時に放射性物質を大幅に減らした上で格納容器の蒸気を放出する「フィルター付きベント」について規制委側は「ヨウ素対策もしており先進的だが、それだけに審査も難しい」と指摘し、詳細なデータで性能を説明するよう求めた。
 中部電の担当者は、終了後「地震、津波がポイント。丁寧に説明したい」と述べた。
中部電の申請によると、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)を従来の最大加速度八〇〇ガルから一二〇〇ガルに引き上げ、揺れが増幅されやすい防潮堤の一部などでは二〇〇〇ガルに引き上げた。
 また、想定される津波の最高水位は海抜約二十一メートルで、現在工事を進める同二十二メートル(総延長約一・六キロ)の防潮堤の高さを下回るとした。
 昨年七月に新規制基準が施行され、これまでに浜岡4号機を含め十原発十七基が審査を申請。