福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が7日、甲状腺がんと診断が「確定」した子どもは前回(昨年11月)の26人から33人になったと公表しました。
「がんの疑い」は前回の32人から41人になったということです。
国立がん研究センターなどによると、「10代」の甲状腺がんは百万人に1~9人程度ということです。また18歳未満の甲状腺がんはこれまで百万人に1~2人程度とされていました。
検討委の星座長は甲状腺がんの発生数について、チェルノブイリ原発事故後の甲状腺がんの発症経過などから見て、「現時点では放射線の影響は考えにくい」と述べました。
またがんの発見率がこれまで考えられていたよりもきわめて高いことについても、「症状がない人も含めた未知の調査なので、比較できない」と説明しました。
福島県全25市町村の対象者約21万3000人のうちで約3万人がまだ甲状腺検査を受けていない※ことから、これまで被験者の総数は約18万3000人と推定されます。
それから百万人あたりの人数を求めると下表のようになります。
福島児童 甲状腺がん 検査結果 累計数 (H26 年2月) (単位:人)
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受診児童数
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がん確定数
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がん疑い者数
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(確定+疑い)数
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183,000(推定)
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33
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41
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74
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100万人当たり換算
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180
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224
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404
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この数値は、上述の「百万人に1~9人」または「百万人に1~2人」のいずれに比べても桁外れに大きいものです。
検討委員会の見解は常に「被曝とは関係ない」ことを強調しますが、この桁外れの大きさは、チェルノブイリ原発事故の例から見ても、被曝と関係があると考える方が自然なのではないでしょうか。
※ 2014年1月26日「福島児童 甲状腺検査3万人未受診」
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福島甲状腺がん 7人増加33人に
東京新聞 2014年2月8日
東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が七日、福島市で開かれ、甲状腺がんと診断が「確定」した子どもは前回(昨年十一月)の二十六人から七人増え三十三人になった。「がんの疑い」は四十一人(前回は三十二人)。
検討委の星北斗(ほしほくと)座長はチェルノブイリ原発事故後の甲状腺がんの発症経過や、今回見つかったがんの種類、大きさなどから「現時点では放射線の影響は考えにくい」と述べた。がんの発見率がこれまで考えられていたよりも高いことについては「症状がない人も含めた未知の調査で、比較できない」と説明した。
しこりの大きさなどを調べる一次検査で約二十五万四千人の結果が判明し、千七百九十六人が二次検査の対象となった。
「確定」と「疑い」に、手術の結果「良性」と判明した一人を含む計七十五人のうち二十四人について、原発事故が起きた二〇一一年三月十一日から四カ月間の外部被ばく線量も公表。一ミリシーベルト未満が十五人、一ミリシーベルト以上二ミリシーベルト未満が九人だった。
国立がん研究センターなどによると、十代の甲状腺がんは百万人に一~九人程度とされてきた。
甲状腺検査は、原発事故発生当時十八歳以下の全員、約三十七万人が対象。一次検査の結果で軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定し、BとCが二次検査を受ける。