秩父市の市民団体が、昨年11~12月に市内で捕獲された野生シカ2頭の部位ごとの放射性物質量を調べたところ、モモ肉から1キログラム当たり189・4ベクレルが検出されました。
また、メスの肺からは比較的高い五四・九ベクレルが検出されました。
因みに捕獲場所付近の空間放射線量は、0・05~0・07マイクロシーベルト/時ということです。
つまり空間線量がほぼ正常であっても、肉のみでなく肺までが放射能に汚染されているということで、福島県などで地産地消が叫ばれ強制されていることについて、あらためて疑念が湧きます。福島の母親たちの心配が身につまされます。
(参考記事)
2014年1月31日「学校給食で汚染食品を強制的に摂らされている現実 」
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シカのセシウム濃度、詳細を調査 秩父の市民団体まとめ
東京新聞 2014年2月2日
東京電力福島第一原発事故後、食品に含まれる放射性物質の濃度などを調べている「みんなの測定所in秩父」(秩父市黒谷)を運営する市民団体が、市内で捕獲された野生シカ二頭の部位ごとの放射性物質量を調べた結果をまとめた。福島県内では家畜で同様の調査が行われた例はあるが、(埼玉)県内でのデータは珍しいという。同団体は「今後の対策を考える資料にしてほしい」と話している。 (羽物一隆)
秩父市内の野生シカからは一般食品の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムが昨年も検出されており、県内全域で捕獲されたシカの肉の出荷・販売の自粛が続いている。
市民団体が調査したのは、昨年十一~十二月に秩父市大滝で捕獲された三歳前後のメス(体重四八キロ)と、七~八カ月のオス(同三〇キロ)。捕獲場所付近の空間放射線量は、毎時〇・〇五~〇・〇七マイクロシーベルトだった。
モモ肉や内臓など約三十の部位のセシウム濃度を調べたところ、モモ肉から一キログラム当たり一八九・四ベクレルが検出された。他の家畜調査の結果と同じく、骨格筋にセシウムがたまりやすい性質が確認できたという。
また、メスの肺からは比較的高い五四・九ベクレルが検出された。市民団体の関根一昭代表は「セシウム濃度が高い腐葉土が風などで巻き上げられ、シカが吸い込んだ可能性がある」と分析している。
調査結果などの問い合わせは、みんなの測定所in秩父=電0494(26)5163=へ。