14日深夜、米の放射性廃棄物の地層処分の試験施設の、地下約660mにある貯蔵エリアの放射線レベルが上昇したため、地下室の空気を地上に放出している換気ラインが、自動的にフィルターを通すラインに切り替わるという緊急事態が生じました。
地下には作業員はおらず、地上にいた139人の作業員も緊急にシェルターに避難したり現場を離脱したりして、放射線被曝は確認されていません。
同施設は1999年から操業しており、作業員800人以上が働いています。核兵器の製造過程で出た放射性廃棄物を地下施設で試験的に管理するもので、原発からの放射性廃棄物は受け入れていません。
通常、年間最大で6000立法メートルの放射性廃棄物が運ばれ、2030年まで廃棄物を受け入れる予定だということです。
地層埋設処分といっても決して埋設して終わりというようなものではなく、上述のように多数の作業員を必要とし、それなりに多大なエネルギーを用いて運用・管理するものであることが分かります。
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米試験施設、地下の放射線レベルが上昇
読売新聞 2014年2月17日
【シカゴ=中島達雄】米エネルギー省は15日、米西部ニューメキシコ州カールスバッド郊外にある放射性廃棄物地層処分の試験施設で、地下の放射線レベルが上昇していると発表した。
地下約660メートルに埋設した廃棄物から放射性物質が漏れた可能性があるため、原因の調査を始めた。
地上の敷地境界での放射線量は、人体や環境に影響のないレベルを維持しており、作業員の放射線被曝(ひばく)や施設の汚染は確認されていない。念のため緊急対策要員が地上のシェルターに避難し、その他の作業員は15日夕までに施設を離れた。
放射線レベルの上昇は14日深夜、監視装置が異常を検知した。地上に放射性物質が放出されるのを防ぐため、空調が自動的にフィルターを通すラインに替わった。地下に作業員はいなかった。