活断層(S-1破砕帯)が原子力建屋の直下を通っているという指摘のある、石川県の北陸電力志賀原発の地層の調査が、22、23日に行われることになりました。現地調査は5人の専門家によって行われます。
志賀原発の地層については、旧原子力安全・保安院が東日本大震災の後 資料を調べたところ、専門家から「典型的な活断層だ」という見解が示されたということです。
それに対して北陸電力は再調査を行って、昨年12月に「S-1を含め敷地内の断層は将来動くことはないと確認した」という報告書を規制委に提出していました。
先に資料を診断した専門家は「典型的な活断層で、こんなところに原発を設置するとはあきれる」という主旨の発言をしているようですが、同じ地層について全く反対の見解が出るというのは良く理解できません。既に出来上がっている設備なのだから使いたいという考え方は勿論容認できません。
調査の結果活断層と判定されれば1号機は廃炉になりますが、それと隣接している2号機は運転できるということのようです。これは「活断層が直下にあれば建設できない」とする条文から「直下でなければ良い」という逆の論理を導き出したものですが、地震の影響が僅か20mとか30mという規模に限定される筈はないのに、おかしいのではないでしょうか。
当初規制委の見解は「活断層の疑いが否定できなければ運転は認めない」と明解でしたが、その後はかなり妥協的になってきているように見えます。
調査の結果どのように判定されるのか注目されます。
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規制委、志賀原発断層調査 22、23日専門家派遣
東京新聞 2014年2月5日
原子力規制委員会は五日、北陸電力志賀原発(石川県)直下の断層(破砕帯)が活断層かどうかを調べる専門家チームを二十二、二十三日に現地へ派遣すると決めた。専門家らから「活断層の特徴がある」と指摘されており、チームの調査で同様の結果になると廃炉を迫られる。
チームは規制委の島崎邦彦委員長代理と、関係学会から推薦された▽重松紀生・産業技術総合研究所(産総研)主任研究員▽広内大助・信州大教授▽藤本光一郎・東京学芸大准教授▽吉岡敏和・産総研活断層評価研究チーム長-の計五人。都内で十四日に会合を開いて北陸電力から説明を受けた上で、現地へ赴く。
今回の調査では、1号機原子炉建屋の南西角を走る「S-1断層」が焦点になる。旧原子力安全・保安院が東日本大震災後に同原発の資料を確認したところ、再び動く可能性がある活断層の疑いが浮上。保安院の依頼で資料を見た専門家からは「典型的な活断層だ。あきれてものも言えない」という意見が出た。
北陸電は再調査を行い、昨年十二月に「S-1を含め敷地内の断層は将来、動くことはないと確認した」という内容の報告書を規制委に提出した。新規制基準は、活断層の真上に原発の重要施設を建てることを禁じている。S-1が活断層と認定されると、1号機の再稼働は不可能になる。