東電は、福島原発の海側敷地の井戸から昨年7月採取した水から、ベータ線ベースで1リットル当たり90万ベクレル検出されたと発表していましたが、正しくは約1000万ベクレルであったことを明らかにしました。同じサンプル水から放射性物質ストロンチウム90が、1リットル当たり500万ベクレル検出されたことから分かったものです。
東電は昨年10月に放射線測定器の不備が判明したとして、昨年10月より前に測定した過去の水を再分析するということです。
専門の測定部署を持っていながら、肝心の測定器が狂っていたとはあきれる話です。サンプル水を保管しているのであれば、なぜそう判明した時点で、誤差のある分について測定し直さなかったのでしょうか。
今回ストロンチウム90の値を知る必要があって分析した結果が、先の測定値とどうにも整合しないのでやむを得ず公表するに至った、と勘ぐられても仕方がないのではないでしょうか。
昨年末以降、この井戸水のベータ線濃度が時間の経過ともに増加して最近300万ベクレルを越えたという経緯も、7月の時点で既に1000万ベクレルに達していたということになれば、全く話が違iいます。
放射線濃度という極めて基礎的な事項でさえも信用できないということになれば、東電への不信感は払いようもありません。
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海側井戸で500万ベクレル ストロンチウム、最高値
東京新聞 2014年2月6日
東京電力は6日、福島第1原発の海側敷地にある観測用井戸で、昨年7月5日に採取した水から放射性物質ストロンチウム90を、1リットル当たり500万ベクレル検出したと発表した。観測用井戸で出たストロンチウム90の値では、過去最高。
東電は当初、ベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり90万ベクレル検出されたと発表したが、昨年10月に計測器の不備が判明。今回検出したストロンチウム90の数値から推計すると「ベータ線全体で1千万ベクレル相当だった可能性がある」と修正した。
昨年10月より前に発表した数値の一部は信頼性が低いとして、今後、過去の水を再分析するという。(共同)