福島原発に降った雪からセシウムが58ベクレル/L-水、ストロンチウム(放射性ストロンチウム90 以下同)が210ベクレル/L-水、それぞれ検出されたということです。
大気中の放射性物質が雪に取り込まれたもので、普段の雨水にも当然含まれているものです。
福島原発からは東電の発表で、毎時1000万ベクレル(2億4000万ベクレル/日)もの放射性物質が大気中に放出されています。東電はこれまで成分などは公表してきませんでしたが、今回の計測で、ストロンチウム(放射性ストロンチウム90 以下同)の濃度の方がセシウムよりもはるかに高いことが明らかになりました。
地下水からは既に500万ベクレル/L ものストロンチウムが検出されていて、海への膨大な放出が心配されています。海に放出されたストロンチウムは最終的に魚類の骨などに蓄積して、それを摂取すると人体に取り込まれます。
大気中のストロンチウムは雨や自然沈降で広い範囲の地表に落ちて、それらは野菜を通して人体に取り込まれます。
ストロンチウムはカルシウムと同じアルカリ土類金属に属し化学的にカルシウムに最も近いので、体内に取り込まれると骨中のカルシウムと置換されて骨の成分となります。
そこから強いベータ線(電子線)を発して周囲の細胞を傷めます(半減期は約29年)。そして造血幹細胞が傷められると血液のがんである白血病を発症させます。
これまでの食品中の放射性物質濃度の規制値は、測定の容易さからセシウムを基準にしていますが、より危険なストロンチウムの方が高濃度であることが明らかになった以上、今後はストロンチウムの濃度も測定して常時公表されるべきです。
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福島第一原発、雪からセシウム検出 タンクの床ひび割れ
朝日新聞 2014年2月11日
東京電力は11日、福島第一原発で汚染水をためたタンクが置かれたコンクリート床2カ所にひびが入っていたと発表した。周囲には雪が積もっており、溶けてひびから地下に染み込んだ可能性があるという。東電が雪溶け水を調べたところ、セシウムやストロンチウムが検出された。
ひびがあったのは、昨年8月に高濃度の汚染水300トンの漏れが見つかったタンク群の近く。長さ12メートルと8メートルのひびが入っているのを、パトロールで見つけた。雪が溶けた水からはセシウムが1リットルあたり最大58ベクレル、ストロンチウムが同2100ベクレル検出された。東電によると、寒さでコンクリートにひびが入った可能性があるという。