2024年7月10日水曜日

福井県が高浜原発3、4号の40年超運転を容認

 原子力規制委から40年超運転の認可を受けた関西電力高浜原発3、4号機について、福井県の杉本達治知事は9日、「2基の20年運転延長に理解を示す」と容認する考えを示しました。

 関電が実施する蒸気発生器(SG)の取り換え計画についても了承しました。
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福井県が高浜原発3、4号の40年超運転を容認
 知事「安全性は確保されていると認識」
                             福井新聞 2024/7/9
 原子力規制委員会から40年超運転の認可を受けた関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)=ともに加圧水型軽水炉、出力87万キロワット=について、福井県の杉本達治知事は7月9日、「(2基の)運転延長に理解を示す」と容認する考えを示した。40年超運転に合わせて関電が実施する蒸気発生器(SG)の取り換え計画についても、安全性が向上するとして了承した
 この日は中村保博副知事が関電の水田仁副社長(原子力事業本部長)と福井県庁で面談し、▽安全対策の徹底▽40年超運転の安全性・必要性に関する県民理解活動の強化▽立地地域の振興や課題解決に向けた取り組みの検討加速-の3項目を求めた。
 水田副社長は「安全に対する投資を積極的に推進していく」と強調。地域振興については、今月中にも開かれる国主催の「共創会議」で検討状況を具体的に示す考えを示した。
 この後、杉本知事は記者団の取材に応じ、2基の40年超運転に対する規制委の審査結果や県原子力安全専門委員会の議論に触れ「安全性は確保されていると認識している。今後とも事業者の対応を監視していく」と述べた。
 SG交換では、高浜3号機が2026年6~10月、4号機は同年10月~27年2月の定期検査時に最新設計のものに取り換える。関電によると、県内原発のSG交換は1997年の大飯2号機(廃炉)以来。交換していないのは大飯3、4号機の2基のみとなる。
 高浜3号機は1985年1月、4号機は同6月に運転を開始し、ともに来年40年を迎える。現行ルールでは原発の運転期間は原則40年と定められ、規制委が認可すれば最長20年延長できる。規制委は今年5月に2基の運転延長を認可し、6月にはSG交換に関する原子炉設置変更も許可した。野瀬豊高浜町長は40年超運転とSG交換を容認する意向を県に伝え、県議会最大会派の自民党福井県議会も知事に一任していた。
 
 
高浜原発3・4号機の運転延長、福井県が容認 関西電力に伝える
                              毎日新聞 2024/7/9
 2025年に原則の運転期間40年を迎える関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、福井県は9日、関電に20年間の運転延長を容認する考えを伝えた。関電は、5月に原子力規制委員会から最長20年の運転延長を認可され、今回地元自治体からも認められたことで、運転延長に向けた環境が整った。
 40年を超えて稼働している原発は現在、高浜1、2号機と関電美浜3号機(福井県美浜町)、九州電力川内(せんだい)1号機(鹿児島県薩摩(さつま)川内市)の計4基。高浜原発は来年以降、稼働する4基全てが40年超運転となる見通し。
 福井県の中村保博副知事はこの日、県庁で関電の水田仁・原子力事業本部長と面会。「高浜3、4号機の40年超運転に関しては理解を示すこととしたい」などと述べ、運転延長を容認する考えを表明した。
 原発の再稼働を巡っては、地元自治体は電力各社と安全協定を結んでおり、自治体の同意が事実上、必要になっている。一方、運転延長では自治体の同意は必須となっていない。
 その中で、関電は運転延長でも地元自治体の意向を尊重する方針を掲げていて、高浜町の野瀬豊町長は6月18日に容認する考えを示していた。
 高浜3号機は25年1月、4号機は同年の6月に運転開始から40年になる。このため、関電は11年の東京電力福島第1原発事故後にできた制度に従って、23年4月に規制委に運転延長を申請していた。
 ただ、23年に成立したGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法が定める新たな制度では、60年を超えた原発も運転できる。この法律は25年に施行されることから、関電が高浜3、4号機の運転を続けるためには、規制委と経済産業相の認可を改めて受ける必要がある。【柴山雄太】