敦賀原発の廃炉決定で大揺れの日本原電は、残る唯一の原発が東海第2原発です。
同原発の事故対策工事は9月完了を目標としていますが、先に防潮堤の施工不良(底部へのコンクリート充填不良及び鉄筋の変形)が見つかり規制庁から部分的に施工し直しすることを要求されています。津波の襲来時には防潮壁の底部に最大の荷重がかかるので当然のことです。
そうなれば工事完了は9月より後になる筈ですが、未だに申告がないことに大井川和彦・茨城県知事は「この状況でいまだに工期を変えないのは、地元に対して不誠実じゃないかと思う」と批判しました。
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東海第2 防潮堤施工不良問題 9月工事完了目標を変えない原電 大井川知事が批判「地元に対し不誠実」
茨城新聞 2024年7月27日
日本原子力発電が9月完了を目標としている東海第2原発(茨城県東海村)の事故対策工事を巡り、大井川和彦知事は26日の定例会見で、防潮堤の施工不良問題を念頭に「この状況でいまだに(工期を)変えないのは、地元に対して不誠実じゃないかと思う」と批判した。(長崎高大)
9月完了が危ぶまれている東海第2の事故対策工事の工期について、知事が原電の姿勢を公の場で批判するのは初めて。これまでに東海村の山田修村長など周辺市町村の首長からも、同様の批判が相次いでいる。
昨年6月の施工不良発覚後、一部工事は中断が続いているうえ、原子力規制庁は原電に対し、防潮堤の一部建て直しを検討するよう指摘した。会見で知事は「指摘を踏まえれば、9月の工事完了はあり得ないということは明らかだ」と述べた。
防潮堤の施工不良は、取水口付近の鋼製防護壁の南側を支える基礎部分の柱に、コンクリートの充塡(じゅうてん)不足や鉄筋の変形が判明。その後の調査で、北側の基礎部分でも同様の施工不良が確認された。
原電は補修による対策を検討し、事故対策工事の見通しについてはこれまで「非常に厳しい状況」としながらも、完了時期は変更していない。
ただ、6月の原子力規制庁での審査会合では、規制庁側が「造り直すことが大前提」などと対策の抜本的な見直しを要求。原電は7月中旬までに新たな方針を説明するとしたが、その後、規制庁に「7月中の回答は困難」と伝えた。