能登半島地震では海底が4mも隆起したことに関連し、原子力規制委員会は柏崎刈羽原発の再稼働の前提となる審査で、地盤の隆起が生じた場合でも海側にある取水口から原子炉の冷却などに必要な海水をくみ上げられることを確認したと発表しました。
その内容は大型の水中ポンプにホースをつないだものをレッカーで海中に吊り下げ、そのポンプで450mほど送水することを確認したというものです。
しかし100万kwクラスの原発では冷却水ポンプ(正式には循環水ポンプ)の容量は70t/秒=25・2万t/時間という莫大なものなので、おもちゃのようなポンプで送水能力や操作方法を確認してもあまり意味はなく、むしろ安全だという印象操作を狙ったものとしか考えられません。そもそも海岸の隆起は地震によっていつ生じるか分からないので、当然常設しておくべきものです。
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柏崎刈羽原発で地盤隆起を想定した取水訓練 対応手順を確認
NHK 新潟 NEWS WEB 2024年6月13日
能登半島地震を踏まえ、東京電力は柏崎刈羽原子力発電所で、想定を超える地盤の隆起が起きた場合でも原子炉の冷却に必要な海水がくみ上げられるように海に直接、ポンプを投入する訓練を行い、対応手順を確認したと発表しました。
ただ、能登半島地震で4メートルを超える隆起が確認されたことから、ことし3月、電力各社に想定を超えるような隆起が起きた場合でも、海水のくみ上げを継続できるか調べるよう求めました。
これを受けて東京電力は、今月1日と11日、柏崎刈羽原発で海水をくみ上げるポンプを海に直接、投入して動作などを確かめる訓練を行ったと発表しました。
このうち今月1日の訓練では、社員などは長さ450メートルのホースを地面に敷いたあと、ホースとつながるポンプをクレーンを使って海に投入していました。
そして、ポンプを起動させたあと水圧を確認して、適切に海水がくみ上げられているか確認していました。
原発では、原子炉の核燃料を冷却したあと、温度が上昇した循環水を冷やすために海水が必要になりますが、海に投入するポンプを使う場合、屋外にある移動式の熱交換器にホースをつなぎ込み、くみ上げた海水を流し込むということです。
原子力規制庁によりますと、11日の訓練では立ち会って手順を確認し、計画通り、対応が行われていると評価したということです。
柏崎刈羽原発第二保全部の下迫田隆太原子炉グループマネージャーは、「今回の訓練を教訓に、自分たちの力量をさらに高めていきたい」と話していました。