2024年7月24日水曜日

島根原発2号機の再稼働「現在の規制基準でいいのか」「避難計画の実行性は十分か」と知事ら

 20日、規制委が島根原発の安全対策工事の視察にきたのを機会に、島根・鳥取両県の知事を含めた立地自治体関係者らと規制委との意見交換が行われました。そこでもっとも多く上がったのは、能登半島地震で土地の隆起や事故時の避難の困難さが明らかになったのを機に、規制基準や避難計画の見直しの必要性を問う意見だったということです。

 詳細は分かりませんが「現在の規制基準でいいのか」「避難計画の実行性は十分か」の問いかけに満足な回答がなかったようで、島根県の丸山達也知事からは「原発の再稼働を推進していてこんな説明姿勢って『真面目にやってるのか』というレベル」、また鳥取県の平井伸治知事からは、「地元として不安を生じているのは事実。安全の審査をした、それが今も有効だというのであれば具体的に教えて頂きたい」と、規制委の真剣さの欠如を指摘する言葉が発されました。
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「現在の規制基準でいいのか」「避難計画の実行性は十分か」 島根原発2号機の再稼働に向けて 原子力規制委員会と関係自治体が初となる意見交換
                          日本海テレビ 2024/7/22
7月20日、原子力規制委員会は島根原子力発電所の安全対策工事の進捗状況などを視察、関係自治体と初となる意見交換を行いました。
全国で唯一県庁所在地に位置する島根原子力発電所は、事故があった福島第一原発と同じ、沸騰水型の原子炉を保有。原発から30キロ圏内(UPZ)には約45万人が住んでいます。
20日、約2時間かけ原子力規制委員会の関係者らが島根原発で安全対策工事の進捗(しんちょく)状況などを視察。その後、島根県原子力防災センターで島根県の丸山知事や松江市の上定市長、鳥取県の平井知事など立地・周辺自治体の関係者たちと意見交換を行いました。
島根県 丸山達也 知事
能登半島地震におきましては、北陸電力の想定を超える長さの断層の連動があったと指摘されています。規制基準の見直しなど原子力の安全規制を担うものとして安全対策に万全を期していただきたい
今回もっとも多く上がったのは、規制基準や避難計画の見直しの必要性を問う意見。
同じく原発を保有する石川県で今年1月に起こった能登半島地震。各地で道路が破損し、原発から30キロ圏内では合わせて4か所で、う回路がない道路が通行できなくなりました。これを受け、「現在の規制基準でいいのか」「避難計画の実行性は十分か」という質問が寄せられました。
これに対し、規制委員会の山中委員長はー。
原子力規制委員会 山中伸介 委員長
「能登半島地震につきましては、断層の連動や地盤の隆起がみつかったところであります。国の機関 学会で現在分析が進められているが、現在のところ規制に反映すべき新しい知見は発表されていないものと認識しています」
現時点で規制の変更の必要はないが、新たな知見が得られたら、その都度、規制基準に反映するとしました。さらにー。
松江市 上定昭仁 市長
「島根原子力発電所では、さまざまな不適切事案が発生している。中国電力の安全文化の改善状況と原子力事業者としての資質をどのように評価しているか」
原子力規制委員会 山中伸介 委員長
「島根原子力発電所のいくつかのトラブルについては軽微なものだったと理解しておりますけど、今後、日々の点検の中で現場の状況が維持向上しているかについて確認してまいりたい」
規制委員会では、中国電力の体制改善のため指導を続け、監視役としての責務を果たすと約束しました。また、夕方からは内閣府の原子力防災担当者とも意見交換し、関係自治体は避難経路や防災設備のための国の補助や、有事の際、国が下した決定の結論だけでなく、理由まできちんと説明するよう求めました。
島根県 丸山達也 知事
「一堂に会して原子力規制員会なり、内閣府に対して伝えていくことができたことについては意義深いものだった。本日のところで片付いていない課題もたくさんありますので、さまざまな課題解決をこれを機にさらに進めていきたい」
中国電力は、今年12月に島根原発2号機の再稼働を目指しています。関係自治体は県民の不安を安心に変えるため国や規制委員会に対し、分かりやすい説明を引き続き求めることにしています。


「推進していてこんな説明姿勢って真面目にやってるのかってレベル」両県知事から厳しい意見も…原子力規制委 地元と意見交換 島根県初開催
                          BSS山陰放送 2024/7/23
厳しい意見も上がりました。
年内の再稼働が予定されている松江市の島根原発2号機について20日、原子力規制委員会の山中委員長らが視察に訪れ、山陰両県の知事らと意見交換しました。
松江市の島根原発を視察したのは、原子力規制委員会の山中伸介委員長らと原子力規制庁の職員、あわせて11人です。
山中委員長が島根原発を訪れるのは6年ぶり3回目で、今年12月に再稼働を計画している2号機周辺の管理区域設備を見学したほか、事故が起こった際のシステム、対応などについて話を聞き安全性について確認しました。
原子力規制委員会 山中伸介 委員長
「今日視察した限りにおいては安全対策工事は的確に実施をされているという印象でございます。安全第一に事業を進めていっていただきたい」
原子力規制委員会が行う原子力施設に関する問題についての地元との意見交換は島根県では初開催です。
視察後、開かれた会議には丸山知事・平井知事、周辺の市長らが出席。国による県民への安全性の説明が足らないと厳しい意見があがる場面も見られました。
島根県 丸山達也 知事
原子力発電所の再稼働を政府が推進してないんだったら構いませんけど、推進していてこんな説明姿勢って真面目にやってるのかってレベル
鳥取県 平井伸治 知事
地元として不安を生じているのは事実です。安全の審査をした、それが今も有効だとおっしゃるのであれば具体的に教えて頂きたい

福島第一原発事故によって規制が強化されたものの、能登半島地震では石川県の志賀原発で外部から電気を受けるための変圧器が壊れるなどしていて、自然災害に対する対策や備えを徹底するよう改めて要望が伝えられました。
原子力規制委員会 山中伸介 委員長
「改めて強いご要望が出たのは今後の厳しい検査を中国電力に対してしてほしいという、中国電力の保安姿勢に変化がないかどうか、その点については厳しく点検してまいりたいと思ってます
全国の原発で唯一、県庁所在地にある島根原発。
2号機再稼働の計画が迫る中、安全性について県民にとって分かりやすい説明が求められます。