東北電力は30日、女川原発2号機の安全対策工事の完了時期を、20年度から22年度に延期すると発表しました。
防潮壁や竜巻防護ネットの設置などの工事エリアが重複し、並行して作業を進めるのが難しいためです。
東通原発についても安全対策工事の21年度完了が難しくなっているとの認識を示しました。
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女川2号機安全対策の完工を22年度に延期 東北電力
河北新報 2020年05月01日
東北電力は30日、再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の安全対策工事の完了時期を、2020年度から22年度に延期すると発表した。東日本大震災で被災した女川2号機の完了延期は4回目。東北電の原発稼働がゼロの状態は10年以上に及ぶことになる。
東北電は13年12月、女川2号機の新規制基準適合性審査を原子力規制委員会に申請し、今年2月に合格。海抜約29メートルの防潮堤建設、設備の耐震性向上などの安全対策を進める中で、審査過程で追加や変更が必要となった工事が及ぼす工程への影響を検討してきた。
検討の結果、地下水位を低下させる対策をはじめ、防潮壁や竜巻防護ネットの設置といった工事のエリアが海水ポンプや原子炉建屋の周辺で重複し、並行して作業を進めるのが難しいことが判明。完了時期を22年度に見直した。
再稼働に必要な地元自治体の同意手続きへの影響も避けられない。樋口康二郎社長は30日の記者会見で「理解を得ながら再稼働を目指す」と説明。東通原発(青森県東通村)については、安全対策工事の21年度完了を「現時点では変えないが難しくなっている」との認識を示した。
東京電力福島第1原発事故を踏まえた新基準に合格し、再稼働した5原発9基はいずれも「加圧水型炉」。女川2号機と同じ「沸騰水型炉」は東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)、日本原子力発電東海第2原発(茨城県)とも合格後の手続きが進んでいない。