2020年5月13日水曜日

六ケ所村再処理工場が事実上合格 稼働時期見通せず

 六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場が原子力規制委の審査に事実上合格する見通しになったことを受け、210の市民団体は12日、合格証の原案「審査書案」の審議を見送るよう求める要望書を提出したが、規制委は13日の定例会合で、安全対策が新規制基準に適合しているとする「審査書案」を了承し事実上合格しました。

 市民団体は、高レベル廃液貯槽での臨界事故の恐れがある他、再処理工場の稼働で放射性物質トリチウムが大量に海洋放出されると指摘しました。
 そもそも核兵器に転用可能なプルトニウムの大量保有は国際社会の懸念を招きかねず、工場が完成しても、どれほど稼働できるか不透明とされています。
 これは核燃料再処理工場の存立自体に合理性がないことを示すもので、「百害あって一利もない」ものと言えます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
核燃料再処理工場の合格見送りを 210団体、規制委に要望
共同通信 2020/5/12
 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)が原子力規制委員会の審査に事実上合格する見通しになったことを受け、210の市民団体は12日、規制委の更田豊志委員長に対して、合格証の原案「審査書案」の審議を見送るよう求める要望書を提出した。規制委は13日の定例会合で審査書案について議論する。
 要望書はこれまでの審査に関し「地震想定の議論が不足し、巨大噴火のリスクが無視されている」などと問題視。高レベル廃液貯槽での臨界事故の恐れがある他、再処理工場の稼働で放射性物質トリチウムが大量に海洋放出されると指摘した。


六ケ所村再処理工場が事実上合格 規制委が了承、稼働時期見通せず
共同通信 2020/5/13
 原子力規制委員会は13日の定例会合で、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の安全対策が新規制基準に適合しているとする「審査書案」を了承した。本格稼働の前提となる審査に事実上合格した。
 再処理工場では、原発の使用済み燃料から、再利用できるプルトニウムやウランを取り出す。燃料を繰り返し使う国の「核燃料サイクル政策」の中核施設とされ、合格は稼働に向けた一歩。ただ、合格後も設備の工事計画の審査が続くため、稼働時期は見通せない。
 核兵器に転用可能なプルトニウムの大量保有は国際社会の懸念を招きかねず、工場が完成しても、どれほど稼働できるかは不透明だ。