関西電力は8日から予定していた大飯原発3号機の定期検査開始を2~3カ月程度延期することを明らかにしました。
新型コロナウイルスの感染が広がる中、県内外から多くの作業員が集まることに地元で懸念が出ていました。
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関西電力、大飯原発の定期検査を延期 2~3カ月、作業員多く地元でコロナ懸念
福井新聞 2020年5月1日
関西電力は5月1日、8日から予定していた大飯原発3号機(福井県おおい町)の定期検査開始を2~3カ月程度延期することを明らかにした。新型コロナウイルスの感染が広がる中、県内外から多くの作業員が集まることに地元で懸念が出ていた。
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原発に県外作業員、新型コロナ懸念 定期検査で900人、地元に不安の声
福井新聞 2020年4月25日
福井県おおい町にある関西電力大飯原発3号機が5月8日、定期検査に入る。通常なら地元の飲食店や宿泊業の書き入れ時だが、新型コロナウイルスの感染拡大で住民の思いは複雑だ。関電は感染防止対策の徹底で「絶対に持ち込ませない」と強調するものの、不安の声が消えない。福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)には、原発の作業員からも「現場の感染リスクは高い」との懸念が寄せられている。
大飯3号の定検は8月まで行われる予定。福井県外の約900人を含む約1800人が作業に加わり、1日当たり約3600人が出入りする計画だ。
おおい町の中塚寛町長は4月21日、定検開始に向けて関電に感染防止の徹底を念押しし、同じく原発が立地する美浜、高浜両町も要請した。県も23日に新型コロナの「県民行動指針」の活用を関電に伝えた。
これに対し、大飯発電所の文能一成所長は24日、おおい町会全員協議会でコロナ対策を説明した。来県2週間前から作業員の体調と行動をチェックし、異常があれば「町に入らせない」と述べた。来県後も行動履歴や体調把握に努めているとした。
町議からは「2週間前からチェックというが、自宅待機ではない。信用性が担保できない」と厳しい指摘が飛んだ。文能所長は「ウイルスを絶対に持ち込まない」と決意を述べた。
関電は具体策として、作業員が通勤バスの乗車前に並ぶ際の間隔確保、マスク着用義務、窓開け換気などを挙げる。だが、通勤バスの様子について、おおい町の60代男性は「定検前の今の状況でさえ、朝夕は満員。対策が十分とはとても見えない」と指摘する。
心配な気持ちは作業員も同じだ。「ふく特」に不安を寄せた作業員は24日、福井新聞の取材に対し「今働いている現場は狭く騒音があるため、マスクを外して近距離で会話するなどコロナ対策はされていない。作業員の感染リスクはとても高い。怖い」と切実に訴えた。
大飯原発のある大島区の60代男性は「感染者が出ればデイサービスが休止になるなど高齢者や弱者にしわ寄せがくる」と心配する。今は原発の運転よりもコロナ対策を優先してほしいとし、「慌てて動かす必要はない。検査期間を延ばし、感染防止第一でゆっくりやってほしい」と話した。