2020年5月27日水曜日

茨城県民投票へ直接請求 東海第2原発再稼働賛否巡り

 東海第2原発の再稼働の賛否を問う県民投票に向け、署名を集めてきた市民団体は25日、有効署名数8万6703筆を県に提出し、県議会への条例案提出を直接請求しました。
 大井川和彦知事は6月8日開会の定例県議会に条例案を提出します
 署名は直接請求に必要な有権者の50分の1約18倍が集まりました。

 県民投票が実施されるためには県議会で条例案が可決される必要がありますが、最大会派で過半数を占めるいばらき自民党は慎重な姿勢を示していて、条例制定へのハードルは高いと見られます。
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県民投票へ直接請求 東海第2原発再稼働賛否巡り、8万6703筆の署名
毎日新聞 2020年5月26日
 日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票に向け、署名を集めてきた市民団体は25日、8万6703筆の署名を県に提出し、県議会への条例案提出を直接請求した。これを受け、大井川和彦知事は6月8日開会の定例県議会に条例案を提出する。【韮澤琴音、鳥井真平】

 市民団体は「いばらき原発県民投票の会」。署名は直接請求に必要な有権者の50分の1(約4万8000筆)の約1・8倍が集まった。市町村選挙管理委員会の審査で同一人物による重複などを除き、有効署名数が確定した。
 直接請求を受けた大井川知事は地方自治法に基づき、条例案に意見を付けて県議会へ提出する。市民団体の代表者と面会した知事は「法にのっとって粛々と手続きを進めていく」と述べた。
 県民投票の実現には、県議会で条例案が可決される必要があるが、最大会派で過半数を占めるいばらき自民党は慎重な姿勢を示しており、条例制定へのハードルは高い

 市民団体が提出した条例案は、県内の18歳以上の有権者が再稼働について「賛成」「反対」のいずれかを選んで投票する内容。投票は、知事が再稼働の是非を判断するまでに実施すると定める。知事と県議会は投票結果を尊重するといった規定も含まれている。
 市民団体の姜咲知子共同代表は県の担当者に請求書を提出し、「県民の意思を確認する方法として、県民投票が最も適している」と述べた。徳田太郎共同代表は記者会見で「知事や県議には前向きに検討してほしい」と話した。

 東海第2を巡っては、原子力規制委員会による新規制基準の適合審査などが2018年11月までに終了。原電は、再稼働に必要な安全対策工事を22年12月までに終えるとしており、焦点は地元自治体の同意判断に移っている。