2020年5月6日水曜日

「東海第二 工事止めて」 事関係者も「待機指示なら」

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、再稼働に反対する団体などから東海第二原発で進む再稼働に向けた工事の中止を求める声が広がっていますが、現場の工事関係者も「コロナが落ち着くまでは止めてほしい」と訴えています。
 同工事では、県外から来た人たちは2週間の待機を要求されていますが、そういう形で制約されるよりも工事自体を中止にしてもらった方がスッキリするということからです。
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「東海第二 工事止めて」 
市民団体 感染リスク重視/工事関係者「待機指示なら」
東京新聞 2020年5月6日
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発で進む再稼働に向けた工事の中止を求める声が広がっている。再稼働に反対する団体が原電や県に対して求めるだけではなく、現場の工事関係者も「コロナが落ち着くまでは止めてほしい」と訴える。 (松村真一郎)

 東海第二では現在、高さ二十メートルの防潮堤建設や非常用電源設備の設置など事故対策工事が続く。原電によると、同じ敷地内にある廃炉作業中の東海原発と合わせて約千七百人が働く
 取材に応じた工事関係者の男性は四月中旬、県内に入ったが、直後に原電から「健康観察期間」として二週間の待機を要請された。最初に緊急事態宣言が出た東京や千葉などから来た人が、待機の対象になったからだ。
 男性によると、待機中はやることがなく、宿泊先近くのパチンコ店に行く作業員もいた。

「緊急事態宣言は全国に出されているのに、地域を限定し待機を求められるのは理解できない」と話し、他の作業員たちからも不満が出ているという。「生活を縛りつけられるくらいなら、他の現場で働き、まともな生活を送りたい」と語った。
 再稼働に向けた工事は各地の原発で続くが、九州電力玄海原発(佐賀県)や東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)では感染者が出ている。感染拡大を防ぐ観点から、市民団体でつくる「原発いらない茨城アクション実行委員会」などは中止を原電に申し入れた。
 しかし、原電は「工事は安全最優先で進めている」と応じず、大井川和彦知事も「工事に着手した人はずっと県内にいる。大きな脅威にはならない」と退けた
 申し入れを知った男性は「地元でも中止を求めているのだから、工事を止めるべきだ」と思い、今回取材に応じた。原電は二〇二二年十二月の工事完了を目指している。「時期が決まっているから、止めたくないのだろう」と話す。