2020年5月23日土曜日

女川原発5キロ圏、避難に最大67時間 宮城県試算

 宮城県が試算した結果、東北電力女川原発重大事故時に、5キロ圏内の住民が避難先へ到着するのに最悪で67時間(3日弱かかることが分かりました。これは現行計画の6時間の10倍を超えます。到底容認できるものではありません。
 宮城県が再計算して計画の実態を明らかにしたことには大きな意味があります。
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女川原発5キロ圏、避難に平均50時間 宮城県試算 対策なしなら5日以上
河北新報 2020年05月21日
 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の重大事故発生時、原発5キロ圏内の予防的防護措置区域(PAZ)の住民が避難先へ到着するのに最悪で3日弱かかる恐れがあることが20日、分かった。発生当初に屋内退避を求められる5~30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)の住民全員が自主的に避難を始めたと想定し、宮城県が試算した。現行計画に比べ、移動時間は10倍を超える

 県は立地市町やUPZ5市町と連携し、(1)UPZでの屋内退避の周知(2)渋滞を緩和する信号機の設定(3)PAZから避難する経路の変更-といった対策を講じる方針。その結果、PAZ住民の9割が30キロ圏外の避難先まで移動するのに最大で67時間が必要と算出された。避難時間の平均は50時間と見込んだ。
 各市町が策定済みの広域避難計画では、PAZから30キロ圏外の避難先まで最大で6時間かかるとみていた。今回の試算では、対策を講じずにUPZの住民が一斉に避難を始めた場合、PAZから避難先まで最大で5日以上(135時間)要することも判明した。
 県は2019年度、県地域防災計画(原子力災害対策編)や各市町の避難計画の実効性を高めるための調査を開始。同原発の冷却機能喪失などの緊急事態を受けてUPZの住民も動くと、PAZからの避難に影響があると判断し、所要時間を再計算した。
 19年4月1日現在、PAZの住民は女川、石巻両市町の計1113人。UPZには両市町と登米、東松島、涌谷、美里、南三陸5市町の計19万7833人が暮らす。