関西電力は25日、定検中の高浜原発4号機の蒸気発生器(SG)細管で傷が確認された問題で、密度の高いスケールが繰り返し接触したことが原因と推定し、対策としてスケールをもろくするための薬品洗浄の実施と、傷を確認した細管計4本を施栓するとしました。
高密度のスケールが生成した原因について、高浜3、4号機が他原発と比べSG運転時間が長いことや、建設当初から薬品洗浄を行っていない点を挙げました。
蒸気発生器の細管破損は珍しいことではありませんが、従来は流動時の細管の震動が注目されてきました。 注 SG :Steam Generator
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高浜4号、細管傷対策で薬品洗浄へ 関西電力、3号機でも実施
福井新聞 2021年1月27日
関西電力は1月25日、定期検査中の高浜原発4号機(福井県高浜町)の蒸気発生器(SG)細管で傷が確認された問題で、原因と対策をまとめた原子炉施設故障等報告書を原子力規制委員会に提出した。密度の高い付着物(スケール)が繰り返し接触したことが原因と推定。対策としてスケールをもろくするための薬品洗浄の実施と、傷を確認した細管計4本を施栓するとした。
報告書では、高密度のスケールが生成される要因について、高浜3、4号機が他原発と比べSG運転時間が長いことや、建設当初から薬品洗浄を行っていない点を挙げた。高浜4号機は2011年7月から約6年間、長期停止していたためスケールがはがれやすくなっていたと推定した。薬品洗浄は、スケールの性状が同じ高浜3号機でも実施するとした。
規制委の報告書審査には1カ月程度掛かるとみられ、高浜4号機の運転再開は早くて3月下旬以降、高浜3号機は2月下旬以降になる見通し。
関電は高浜3、4号機のSG交換の検討も進めている。