2021年8月21日土曜日

新潟県技術委2委員 東電から研究費 計1000万円超

 東電柏崎刈羽原発の安全性を議論する新潟県技術委員会の新任委員5人中の2人が、過去2年間に東電から計1千万円以上の研究費を受けていたことが分かりました。

 東電との間で利害関係があったことになりますが、2氏を選任した県原子力安全対策課は、公正な議論に「問題はない」としています
 研究費を受けていたのは、4月から加わった東北大大学院教授の高橋信氏東京工業大教授の小原徹氏で、小原氏は座長代理を務めています
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新潟県技術委2委員 東電から研究費 計1000万円超 県は「議論に問題なし」
                            新潟日報 2021/08/20
 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発の安全性を議論する県技術委員会の新任委員2人が、過去2年間に東電から計1千万円以上の研究費を受けていたことが19日、分かった。議論の対象になる原発運営者との間で利害関係があったことになるが、2氏を選任した県原子力安全対策課は、公正な議論に「問題はない」としている。
 研究費を受けていたのは、4月から加わった東北大大学院教授の高橋信氏(ヒューマンエラー)と、東京工業大教授の小原徹氏(原子炉物理)。小原氏は座長代理を務めている。
 県は新任5人を含む全11人の委員を対象に、過去2年間で原子力事業者との関わりや共同研究がなかったか自己申告するよう求めていた。
 申告書によると、高橋氏は東電全社の安全研修のための共同研究で、2019年度と20年度にそれぞれ324万円330万円を受け取った。このほか、東電などが出資し、柏崎刈羽原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)の運転員を養成する「BWR運転訓練センター」(刈羽村)との研究でも2年間で計180万円を受けていた。高橋氏によると、いずれの研究も継続中だという。
 高橋氏は新潟日報社の取材に対し「研究の内容が審査の内容とは直接関係がないということで、県にも納得いただいた」と強調。「東電の安全に対する考え方ややり方が不適切であれば指摘していく」と述べた。

 小原氏は20年度に、東電福島第1原発の廃炉技術に関わる東工大と東電の共同研究に参加。燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)の臨界安全に関する研究で、東電から研究費400万円の配分を受けた。県技術委の委員就任に合わせて同年度末でプロジェクトを外れた
 小原氏は取材に対し、「柏崎刈羽原発に関する研究内容ではなかったが、疑念を持たれないようにするために外れた」と語った。
 県の飯吉栄輔原子力安全広報監は「委員の所属組織と東電との共同研究で、個人として金銭をもらっているわけではないと確認した。共同研究をしているから、直ちに不適任ということではない」とした。