2021年8月22日日曜日

震災と原発事故の課題討議 震災10年で地元紙シンポ

 日本新聞博物館のシンポジウム「地元紙が伝えた10年とこれから」が21日、オンラインで開かれ、東日本大震災と東電福島第一原発事故からの復興を巡る課題や報道の在り方について討議しました。

 討議の中で、福島民報の円谷編集局次長は、「福島県民の声なき声を反映するのが使命」と報道の意義を強調しました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
震災と原発事故の課題討議 震災10年で地元紙シンポ
                            福島民報 2021/08/22
 日本新聞博物館のシンポジウム「地元紙が伝えた10年とこれから」は21日、オンラインで開かれ、福島民報社の円谷真路編集局次長兼報道部長らが東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興を巡る課題や報道の在り方について討議した
 福島第一原発事故に伴う帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)外の避難指示解除について、円谷次長は住民の帰還意思の有無で対応が分かれる政府の解除方針の問題点などを挙げ、避難の長期化で深刻化している状況を報告した。「福島県民の声なき声を反映するのが使命」と報道の意義を強調した。
 震災と原発事故の風評被害が根強く残る一方、風化が進む現状を指摘。福島第一原発で増え続ける処理水の海洋放出方針や、廃炉作業に伴う放射性廃棄物の最終処分先などを福島県の課題と説明し「福島の被害は現在進行形。現実と向き合って被災地の今を伝えていかなければならない」と訴えた。
 シンポジウムは、同博物館で9月26日まで開催中の企画展「伝える、寄り添う、守る―『3・11』から10年」に合わせて開かれた。円谷次長の他、岩手日報社の熊谷宏彰報道部長、河北新報社の今里直樹報道部長、福島民友新聞社の中田和宏報道部長が登壇し、瀬川至朗早稲田大政治経済学術院教授が進行役を務めた。