2021年8月6日金曜日

葛尾・野行地区で野菜試験栽培へ

 帰還困難区域となっている葛尾村の野行地区で、営農再開に向けた野菜ブロッコリー、キャベツ、ホウレンソウ、コマツナ、カブの計5品目の試験栽培が29日に始まります。同地区では今年5月にコメの試験栽培も始めています。
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葛尾・野行地区で野菜試験栽培へ 帰還困難区域、8月29日始動
                          福島民友 2021年8月6日
 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となっている葛尾村の野行(のゆき)地区で、営農再開に向けた野菜の試験栽培が29日に始まることが5日、地元生産組合への取材で分かった。野行地区では今年5月にコメの試験栽培も始めており、来年春ごろの避難指示の一部解除に向けて農業再生の取り組みを加速させる
 野菜の試験栽培は県の委託を受けた地元農家らでつくる野行農業生産組合が実施主体となり、同地区に設けられた特定復興再生拠点区域(復興拠点)内の農地3カ所計6アールで行う。ブロッコリー、キャベツ、ホウレンソウ、コマツナ、カブの計5品目の種と苗を植える。それぞれの農地に1品目当たり16株ずつ、計240株を栽培する。
 同組合は今年5月、野行地区の復興拠点の水田約5アールでコメの試験栽培を始め、県オリジナル品種「里山のつぶ」の苗を植えた。コメと野菜は11月までに収穫する予定。試験栽培のため、収穫したコメと野菜は放射性物質の検査後に全量廃棄する。野行地区は村の北東部にあり、約1600ヘクタールが帰還困難区域。村はこのうち、主要道の周辺など約95ヘクタールを復興拠点として整備し、来年春ごろの避難指示解除を目指している。

 半沢富二雄組合長(68)は「コメは平地での水耕栽培だが、野菜は山の近くの農地で栽培環境が異なる。放射性物質が検出されないことを祈りながら、避難指示解除前に農産物の安全性を確認したい」と話した。