NHKが原発の廃炉にかかる費用の総額を少なくとも6兆7000億円と集計しました。
これに似た金額はこれまでも発表されてきました。放射能に汚染された廃材の最終処分の費用は除かれています。
(関係記事)
廃炉工事の元請けには通常原子力ムラの大手建設会社がなります。彼らは原発の建設でも収益を得、廃炉でも収益が得られるという構造になっています。
末端で実際に作業する人たちには、元請け以下の中間のトンネル会社で合計半分ほどもピンハネされ、その残りが支払われます。
工事の費用は、税金が充てられる以外は全て電気料に含めることが出来るので、費用を出来るだけ安くしようという動機づけが出来ないのが電力会社における諸工事の特徴です。
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原発廃炉 費用総額 少なくとも6兆7000億円に
NHK NEWS WEB 2019年5月2日
8年前の福島第一原発の事故後、11基の原発で廃炉が決まり、日本の原子力は「廃炉の時代」を迎えています。NHKのまとめでは、原発や関連施設の廃止にかかる費用の総額は少なくとも6兆7000億円に上り、費用には電気料金や税金などが充てられることから、作業の安全を図りながらどうコストを下げられるかが課題です。
福島第一原発の事故のあと、原発などの安全対策を求める国の規制基準が厳しくなり、福島第一原発以外ですでに7原発11基の廃炉が決まるなど、日本の原子力は「廃炉の時代」を迎えています。
こうした中、NHKが各電力事業者や研究機関の国への報告をまとめたところ、全国各地の原発や原子力関連施設の廃止にかかる費用の総額は少なくとも6兆7205億円に上ることが分かりました。
このうち、建設中の3基の原発を除いた53基の廃炉にかかる費用は3兆578億円になり、1基当たりの平均は577億円でした。
原発以外では、青森県にある使用済み核燃料の「再処理工場」が1兆6000億円となり、最も高額です。
また、日本原子力研究開発機構では、全国79の施設の解体などの費用が1兆9100億円と公表され、人件費などを含めると3兆3000億円ほどに上る可能性があるとしています。
福島第一原発の廃炉にも8兆円かかる見通しの中、こうした費用には電気料金や税金などが充てられることから、作業の安全を図りながらどうコストを下げられるかが課題です。