<令和幕開け> 復興進展へ梅の木植樹 広野・万葉歌碑前に
河北新報 2019年5月2日
東京電力福島第1原発事故でほぼ全ての町民が一時避難した福島県広野町で1日、改元記念の植樹式があった。新元号の典拠が万葉集の「梅花の歌」の序文であることにちなみ、万葉歌碑の前に梅の木を植えた。
町や町議会の関係者らが出席。遠藤智町長は「双葉地方の復興に向け住民と心を寄せ合い、着実に進んでいきたい」と述べ、高さ約2メートルの梅の若木の根元に土をかけた。
万葉歌碑は1982年の建立。「沼二つ」で始まる万葉集の一首が詠まれた地が、町内の「二ツ沼」だったとの説が有力になったのを記念して建てられた。
遠藤町長は取材に、時間がかかる第1原発の廃炉に触れ「他町村とも力を合わせ、若い世代に希望の社会を届けたい」と話した。第1原発から20~30キロ圏の同町は一時、緊急時避難準備区域に指定された。町独自の避難指示も2012年3月末まで続いた。