浜岡原発は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の真上に建っていて世界一危険な原発と言われています。それが他の原発と同様に再稼働を目指して、海抜22mの防潮堤を完成させるなど安全対策工事を着々と進めています。
原子力規制委は17年3月になって敷地内に活断層がないかの調査を実施し、活断層の存在を否定する中電の報告に対し「科学的データが不足している」と苦言を呈したということです。
しかしそれ以前の問題として、想定震源域の真上に建っていても活断層がなければOKという判断基準が理解できません。
31キロ圏内11市町の首長を対象に静岡新聞が行ったアンケートで、藤枝、島田、袋井、磐田の各市長が「認めるべきでない」と答えました。
「認めるべき」を選んだ自治体はゼロで、4市以外の7市町は全て「その他」を選択しました。
再稼働で特に重視する判断材料は「市民の理解」「国の説明」「地元同意のプロセスが明確かどうか」でした。
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全炉停止8年 浜岡原発の再稼働、4市「認めるべきでない」
静岡新聞 2019/5/10 07:21
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が政府の要請で全炉停止して14日で丸8年になるのを前に、浜岡原発から31キロ圏内11市町の首長を対象に静岡新聞社が行ったアンケートで、浜岡原発が国の新規制基準適合性審査をクリアした場合の再稼働の是非について、4市長が「認めるべきでない」と回答した。原発再稼働は法律上、適合性審査の合格を要件とするが、それだけでは判断の根拠になり得ないとする自治体側の厳しい認識が浮き彫りとなった。
「認めるべきでない」と答えたのは藤枝、島田、袋井、磐田の各市長で、市民の確実な安全担保を求める意見でおおむね共通した。藤枝市と磐田市は、全炉停止の原因となった東京電力福島第1原発事故を巡る国の検証が済んでいないとも指摘した。
「認めるべき」を選んだ自治体はゼロで、4市以外の7市町は全て「その他」を選択した。このうち掛川市は「安全対策が完了し、市民の理解が得られなければ再稼働できないと考える」と記述し、反対姿勢の4市と実質的に同様の構えを見せた。吉田町は「浜岡原発は想定震源域の真上にあり、安全性に疑問がある」とした。
一方、御前崎、牧之原、菊川の3市は「議論の段階にない」「判断する状況にない」などとした。再稼働に対し賛成派と反対派が混在する地域事情に配慮したとみられる。
アンケートでは、再稼働の同意を得る必要がある「地元」の範囲について、掛川、袋井、吉田、森の4市町が「31キロ圏内」、島田市が「県内全市町」と答えた。御前崎市は「立地市のみ」とした。国が範囲を明文化すべきとする注文も目立った。
再稼働で特に重視する判断材料は「市民の理解」「国の説明」「地元同意のプロセスが明確かどうか」との意見が複数あった。
広域避難計画は7市町が「策定済み」と回答。2018年の同時期の調査から3市町増えた一方、実効性については4自治体が「一部低い」「不十分」と答えた。