川内原発1・2号機の20年の運転延長が認可されたことについて、原子力規制庁は22日、川内原発が立地する薩摩川内市の市長や議会に説明しました。
原子力規制庁の職員2人が薩摩川内市役所を訪れて田中良二市長に面会し、コンクリート構造物(原子炉格納容器)や原子炉本体に有意な欠陥は認められなかったなどと説明しました。それを受けて田中市長は、「原子力規制庁の職員は対面で直接運転延長に関わる認可の概要について、資料を示しながら丁寧な説明したのは意義深い」と語りました。
しかし記事を読む限り「こういう根拠によって20年間の延長を認めた」という具体的な説明はありませんでした。明快な根拠がないから説明が出来なかったのでしょう。
いくら何でも原子炉の内面と外面を目視で点検した結果「大丈夫と判断した」では話になりません。
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川内原発の20年延長を認可 原子力規制庁が薩摩川内市に説明
KYT鹿児島読売テレビ 2023/11/22
川内原発1・2号機の20年の運転延長が認可されたことについて、原子力規制庁は22日、川内原発が立地する薩摩川内市の市長や議会に説明しました。
薩摩川内市役所を訪れたのは、原子力規制庁の職員2人で、田中市長と面会しました。
原子力規制委員会は今月1日、40年の運転期限が迫る川内原発の1・2号機について、20年の運転延長を認可しました。
規制庁の職員は市長に認可の内容について説明。コンクリート構造物や原子炉容器に、有意な欠陥は認められなかったなどと述べました。
(薩摩川内市 田中良二市長)「今後のリスクをゼロにするための安全な担保に向けた具体的な取り組み、原子力規制委員会の厳正な審査、市の体制は具体的にどのような仕組みとなっているかお伺いしたい」
(原子力規制庁 渡邉桂一安全規制管理官)「検査の中で事業者からしっかり取り組んでいるかということを引き続き監視していくことが重要だと思っている」
このあと開かれた市議会の特別委員会では、規制庁の職員を参考人として招致し、質疑を交わしました
(委員)「現在国外における運転開始から50年を超える原子炉施設がある。これまで運転に支障をきたすような事象は確認されていないのか?」
(原子力規制庁 塚部暢之安全規制調整官)「50年という高経年化を理由ということでトラブル、もしくは事故等が起こったという事例は我々としても把握していないしないと考える」
事業者の九州電力も参考人招致し、質疑を交わした市議会の特別委員会は今後、委員会としての姿勢を示す方針です。
(薩摩川内市 田中良二市長)「原子力規制庁の職員は対面で直接運転延長に関わる認可の概要について、資料を示しながら丁寧な説明したのは意義深い」
田中市長は市議会の判断の後に市としての総合的な判断を示すとしています。
「設計寿命は耐用年数ではない」 九電、薩摩川内市議会に川内原発の運転延長「60年でも問題ない」と説明
南日本新聞 2023/11/23
薩摩川内市議会は22日、川内原子力発電所対策調査特別委員会を開いた。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転延長に賛成・反対する陳情6件の審査のため、原子力規制庁と九電の担当者が参考人として出席。20年の運転延長が認可された審査内容などを報告した。九電側は延長申請に伴い実施した特別点検などの結果から「60年時点でも問題はない」と説明した。
豊嶋直幸副社長らが出席した九電は、延長に向けた取り組みや使用済み核燃料への対応などを示した。「一般的に原発の設計寿命は30~40年といわれる」とした上で、健全性を確認するものであり、耐用年数ではないと強調した。
規制委事務局である規制庁の渡邉桂一安全規制管理官らは、原子炉格納容器やコンクリート構造物の劣化状況を調べた九電の特別点検を踏まえた審査結果を報告。原発の耐用年数に対する考えを問われ、「原子炉の劣化の進行は、施設や機器の種類で異なり、設備の更新もできるため一律に何年とは決まらない」と回答した。
特別委は全ての陳情を継続審査にした。成川幸太郎委員長は「分かりやすい説明だった」と評価。全ての参考人招致を終えた後、12月議会中に委員会としての結論を出したい意向を示した。終了後、渡邉管理官は「地元では非常に関心が高い事項だと改めて思った」と振り返った。
委員会前には渡邉管理官は田中良二市長にも面会して説明。九電は市の部局長でつくる原子力政策調査部会にも出席した。