2023年11月6日月曜日

原発の電気でつくった水素を利活用~関西電力が実証実験スタート

 関西電力は原発で発電した電気で水素を製造しその水素を発電機の冷却などに活用する実証実験を始めました。原発で作られた電気を分解してできる水素を原発に戻して活用する取り組みは全国で初めてということです。
 火力発電に用いれば発電効率が上がる分燃料が節約され、二酸化炭素の排出量を抑えることが出来ます。
 発電機の回転子および固定子を水素で冷却するもので、水素の密度は空気の約7%熱伝導率は空気の6.7倍、熱伝達率は1.5倍なので風損が空気の場合の約10%に減少し、発電機効率0.5~1%程度上昇します。
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原発の電気でつくった水素を利活用~関西電力が実証実験スタート~
                          福井テレビ 2023/11/5
関西電力は原発で発電した電気で水素を製造しています。
その水素を発電機の冷却などに活用する実証実験を始めました。
二酸化炭素の排出量を抑える狙いです。
関西電力は敦賀市と共同で去年から原子力エネルギーで水素を作る実験を行っています。今回はさらにその水素を発電機の冷却用などに使用するまでを実証します。
原発で作られた電気を分解してできる水素を原発に戻して活用する取り組みは全国で初めてということです。
来年3月末までに高浜、おおい、美浜の3つの原発で合わせて131キログラムの水素を活用する予定でCO2の削減量なども確認する計画です。


水素冷却発電機E&M JOBSより)
 回転子および固定子を水素で冷却する発電機。タービン発電機のように高速で大容量になると、冷却効果および損失の点から水素冷却方式が採用される。その主な利点は、(1)水素の密度は空気の約7〔%〕なので風損が空気の場合の約10〔%〕に減少し、発電機効率は0.5~1〔%〕程度上昇する、(2)水素の熱伝導率は空気の約6.7倍、熱伝達率は1.5倍であるから、冷却効果が著しく増大する、(3)水素だけでは酸化作用がなくコイルの絶縁寿命が長くなり、またコロナ発生電圧が高いので、コロナの発生が少ない、などである。しかし、空気が25~95〔%〕混入すると爆発する危険があるので、水素の純度を常時監視し、また軸受部で水素ガスを密封する装置が必要となる


風損回転部分と空気などとの摩擦抵抗による損失