九州電力川内原発1、2号機の運転延長の認可を受け、鹿児島県の塩田康一知事は1日、「規制委から、審査結果についてしっかりと(地元に)説明していただく」と述べました。
県の専門委員会で「特別点検」などについて「適正」とする報告をまとめる一方、更なる安全対策の高度化などを要望したことを踏まえ、塩田知事は規制委に「厳格な審査」を要請していたので、規制委から審査結果や県が出した要望への対応を説明してもらい、「要請事項と合わせて専門委で検証してもらう」ということです。
「川内原発30キロ圏住民ネットワーク」の高木章次代表は運転の延長に対して、「大事故が起きれば住めなくなり、避難後に帰れなくなる場合もある。福島の事故を反省しておらず許せない」と憤りました。
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川内原子力発電所の運転延長認可「宿泊客多く恩恵」「福島の事故反省していない」…反応様々
読売新聞 2023/11/2
原子力規制委員会による九州電力川内原子力発電所1、2号機の運転延長の認可を受け、地元・鹿児島県の塩田康一知事は1日、「審査結果について、しっかりと(地元に)説明していただく」と述べた。今後、県議会などで議論した上で、年内にも国や九電に県の考えを伝えるとした。
鹿児島県は、九電が運転延長の申請に向けて実施した「特別点検」などについて、専門家でつくる委員会で独自に検証。専門委では、点検などを「適正」とする報告をまとめる一方、更なる安全対策の高度化などを要望。これを踏まえ、塩田知事は7月、規制委に「厳格な審査」を要請していた。
この日、県庁で報道陣の取材に応じた塩田知事は、規制委と九電から専門委に対し、審査結果や県が出した要望への対応を説明してもらうとの見方を示した。その上で、「規制委の審査内容が実際にどうだったのか、要請事項と合わせて専門委で検証してもらう」と語った。
延長を巡り、地元同意が法的に求められていない点についても言及。「地元の考え方を尊重してもらえると聞いており、県の考え方を伝えていく」と説明した。
一方、規制委の山中伸介委員長は記者会見で「依頼があれば説明させていただきたい」と語り、地元との対話を重視する考えを強調した。
延長認可について、県民の反応はさまざまだ。
薩摩川内市の市ホテル旅館組合の福山大作組合長(73)は「電力の安定供給に原発は必要で、川内原発は厳しい基準をクリアしている。定期検査時は相当数の宿泊客がおり、多くの業種が恩恵を受ける」と歓迎した。同市や周辺自治体の住民でつくる「川内原発30キロ圏住民ネットワーク」の高木章次代表(72)は「大事故が起きれば住めなくなり、避難後に帰れなくなる場合もある。福島の事故を反省しておらず許せない」と憤った。