10月30日、福島第1原発のアルプス設備の配管洗浄で廃液をタンクに流す操作中に配管が外れ、協力企業の作業員2人が放射性物質を含む廃液を浴びて一時入院した問題で、東電は、飛散した廃液は100ミリリットル程度だったと発表しましたが、実際の飛散量は数リットルで発表の数十倍でした。
廃液を浴びた作業員は1次下請け企業の社員と説明しましたが実際は3次下請けでした。
また「操作マニュアル」には防水コートを着用することになっていると説明しましたが、実際にはそうした記載はありませんでした。
以上のように極めて不正確な報告であったことが明らかになりました。
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(10月30日)福島第一原発で身体汚染した作業員2人、28日に退院
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「また嘘ついたんか」東電、福島第1原発での廃液飛散事故「当初公表の数十倍」にSNSで広がる怒りと不信感
SmartFLASH 2023/10/31
10月30日、東京電力福島第1原発の汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS=アルプス)の配管洗浄中、放射性物質を含む廃液を浴び、協力企業の作業員2人が一時入院した問題で、東電は、飛散した廃液は数リットル程度だったと発表した。
発生当初、飛散した廃液は「100ミリリットル程度」と発表していた。だが、協力企業への聞き取り調査で、実際の飛散量は数十倍だったことが判明した。
東電によると、25日午前10時40分ごろ、福島第1原発の汚染水を処理する施設で、放射性物質を含んだ廃液をタンクに流すホースが外れ、廃液が飛び散った。現場で作業していた5人に廃液がかかり、20代と40代の男性2人は、現場の除染で放射能量の値が一定のレベルを下回らず、除染と経過観察のため25日夜に入院。28日に退院し、2人とも、体調にも特段の変化はないという。
入院した2人には、防水性のあるカッパの着用が義務づけられていなかったことが分かっている。
東電は「当初は全体の量が分からなかったので、分かっていた量を発表した」としている。また、作業に従事していた5人に関しても、1次下請け企業1社の所属としていたが、3次下請け3社の所属だったと訂正した。
「30日には、土屋品子復興相が衆院予算委員会で、事故を『報道で知った』と答弁し、野党から批判を浴びました。
2020年9月20日、東電社員が柏崎刈羽原発でほかの社員のIDカードを使い、中央制御室に不正入室していた件で、東電は原子力規制庁には報告していたものの、新潟県や柏崎市などに伝えず、地元の不信感を高めるという出来事がありました。また、柏崎刈羽原発7号機の安全対策工事について、2021年1月に『完了した』と公表したものの、その2週間後には、じつは終わっていなかったと発表。7号機の再稼働が遅れる一因となっています」(政治担当記者)
東電が、飛散した廃液の量を当初の「100ミリリットル程度」ではなく、「数リットル程度」と発表したことに、SNSでは怒りと落胆の声が広がっている。
《またか東電...また嘘ついたんか》
《東電の公表がいつもずさんで隠蔽体質は変わっていない。復興大臣は報道でこの件を知ったそうな》
《信用できない事が一番の問題》
11月2日には、福島第1原発処理水の3回めの海洋放出が予定されている。あいまいな情報を公表していては、処理水放出のスケジュールにも影響しかねない。