2023年5月22日月曜日

22- 電事連が「電力は非常に廉価」と反論 しかし・・・

 河野消費者担当大臣が、電力会社を「高コスト体質」と指摘したことについて、電事連の会長が「非常に廉価に販売している」と反論しました。本当にそうなのでしょうか。
 電力料金は法令で総括原価方式と呼ばれるもので決めるとされていて、人件費、燃料費、修繕費、公租公課、減価償却費、その他の経費一切の合計額(レートベース)の3%の利益が出せる仕組みになっています。
 この「3%」は一見妥当に見えますが、逆に見るとレートベースが高くなればそれだけ利益が大きくなるということで、燃料代、工事費、維持管理費、人件費等を上げるほど利益が大きくなります。
 また大事故を起こした場合一般の民間会社では倒産することもありますが、電力会社はその復旧にどれだけ費用が掛かろうとも、その全額がそっくりレートベースに加算されるので、年度の途中で燃料が著しく高騰した場合などには一時的に赤字になることはあっても、事後に電力料金を値上げできるので倒産することはありません。
 電力会社の場合、燃料購入価格が高ければそれだけ利益も大きくなるので、過去、世界で最も高い単価で購入して来ました。電力が高コスト体質であるのは間違いありません。
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電力業界団体トップが反論「非常に廉価」電力会社が高コスト体質との指摘に
                          TBSJNN 2023/5/19
大手電力の電気料金の値上げをめぐり、河野消費者担当大臣が、電力会社を「高コスト体質」と指摘したことについて、電力会社の業界団体の会長が「非常に廉価に販売している」と反論しました。
電気事業連合会 池辺和弘 会長
私どもは高コスト体質にはない。非常に廉価に販売している。ですから『高コスト体質である』という(指摘には)当たらないのでは
電気事業連合会の池辺会長は、定例の会見でこのように指摘し、「電力は利益率が非常に低い、薄利多売の商売だ」として、電力業界が高コストであるとの指摘に反論しました。
大手電力の電気料金の値上げをめぐっては、審査の過程で、河野消費者担当大臣が「電力会社が高コスト体質だから、電力自由化の中でも、価格が下がることを避けるために、カルテルなどしたという疑念が裏付けられた」などと指摘していました。