2023年5月17日水曜日

東北電力 標準家庭で6月から26・3%値上げ 平均2110円/月 増

 政府は16日、東北電力など大手電力7社の家庭向け規制料金を6月から値上げすることを事実上決めました。
 東北電力では、標準家庭で6月から26・3%値上げ(平均2110円/月 増加)になります。
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東北電力など大手電力7社が6月から値上げへ
                        khb東日本放送 2023/5/16
 政府は16日、物価問題に関する関係閣僚会議を開き、東北電力など大手電力7社の家庭向け規制料金を6月から値上げすることを事実上、決めました。
 大手電力7社が申請している家庭向け規制料金の値上げについて、政府は16日午前、関係閣僚会議を開き6月からの値上げを認めました。
 このうち東北電力では、液化天然ガスなど火力発電に使う燃料の価格高騰などを理由に32%の値上げを申請していましたが、政府は値上げ幅を24%まで圧縮する方針です。
 電力各社はこの内容を踏まえて修正した上で、経済産業省が認可し6月から正式に値上げになる見通しです。


東北電力、25・47%値上げ 標準家庭、1カ月当たり2110円負担増
 6月から
                             福島民報 2023/5/17
 北海道、東北、東京、北陸、中国、四国、沖縄の大手電力7社は16日、家庭向けなどの規制料金について、6月1日の値上げ実施を発表した。ロシアのウクライナ侵攻や円安による火力発電の燃料価格の高騰を料金に反映させる。このうち、東北電力は平均で25・47%の値上げを経済産業相に補正申請した。標準的な家庭の電気料金の値上げ幅は2110円となる。物価高騰で苦しむ家計にとってはさらなる負担増となる。

 東北電は昨年11月、平均32・94%の値上げを経産相に申請した。その後、燃料価格の下落やさらなる経営効率化などを踏まえ3月末に25・20%の値上げを改めて申請した。今回は4月に見直されたネットワーク設備の利用料金である託送料金の値上げ分77億円を反映し25・47%とした。
 標準的な家庭で使用する従量電灯B(30アンペア、月間使用量260キロワット時)の場合、1カ月当たりの電気料金は1万142円となり、負担増は2110円(26・27%)となる。今回は昨年11月~今年1月の平均燃料価格を基に算定した。燃料価格はここ数カ月、下落傾向が続いている。仙台市の本店で記者会見した樋口康二郎社長(福島県国見町出身)は「燃料費が下がれば今後、電気料金が下がり負担を軽減することになる」と語った。
 東北電では燃料費の高騰により電力供給のコストが収入単価を上回る状況が続き、業績が悪化している。樋口社長は今回の値上げによる増収見込みについて「燃料費や為替相場の動向や業績見通しなどを含め、合理的な算定ができるタイミングで示したい」と述べた。一方で「持ち出し分は回収でき正常な状態に戻る」との認識を示した。

 政府は16日午前、物価問題に関する関係閣僚会議を開いた。7社の値上げ幅を確定させるための査定方針を了承したことを受け、各社が即日申請した。西村康稔経済産業相が近く認可する見通し。
 経産省はこれまでの審査で経営効率化を求め、最近の燃料価格の下落傾向を反映させることで値上げ幅を圧縮してきた。

■自由料金見直し、おおむね値下げ
 東北電力は自由料金見直しも6月から実施する。概要について「規制料金の認可後に決定し、お知らせしたい」としている。
 自由料金を巡っては、家庭向けの燃料費調整制度の上限が撤廃された昨年11月以降、実質値上げとなっている。ただ、規制料金の値上げ幅圧縮に伴い、料金格差を縮めるためおおむね値下げとなる見通し。
 標準的な家庭用モデル料金(よりそう+eネットバリュー、30アンペア、260キロワット時)の見直し後の1カ月の電気料金の試算は1万87円となり、月額当たり55円(0・54%)の値下げとなる。

◆家庭向け電気料金=規制料金は国の規制を受け、料金改定には申請・認可が必要。「従量電灯A・B・C」「定額電灯」などが知られ、高齢者世帯の契約が多い傾向にある。県内では東北電力の家庭契約件数の約76%を占める。電力会社の判断で柔軟に料金を設定できる自由料金は「よりそう」を冠したプランが中心。時間帯ごとの料金プランや割引サービスがあり、オール電化住宅や比較的若い世代の契約が多い。県内の対象件数は約24%。