日本では理由は良く分かりませんが、洋上風力発電の方式を着床式(定置式)に特化した感じがあります。
それに対してレコードチャイナは、日本は離岸すると直ぐに深くなる深水海域であるため浮体式洋上風力発電が適しているという記事を出しました。そして中国の水深100メートルを超える場所では日本の「浮体式風力発電」の技術が使われているということです。
どちらが適しているかは基本的な問題ですが、日本はどのような根拠で着床式(定置式)洋上風力発電に特化したのでしょうか。
レコードチャイナの記事を紹介します。
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小さな島国・日本、実は隠れた資源大国だった?―華字メディア
Record China 2023/5/25
文章はまず、「世界的に近代化が加速する中、数百万年をかけて形成されてきた天然資源は現在の生活のニーズを満たすことはできなくなってきている」と指摘。「エネルギー危機は一触即発の状態であり、この難関を突破するには代替品を探すほかなく、再生可能エネルギーの応用が大きな注目を集めている」とした。
そして、天然資源の分布は不均衡であり、再生可能エネルギーの活用も地域によって異なるとした上で、日本について「化石資源には乏しいものの再生可能エネルギーは豊富で、特に洋上の風力発電の潜在力は大きい」と説明。周囲を海に囲まれた島国・日本ならではで、重要な選択肢になるだろうと論じた。
文章は日本にとっての洋上風力発電の利点について、「海岸線が入り組んだ形をしており、多くは深水海域のため浮体式洋上風力タービンを設置するのに適している。浮体式は着床式よりも台風や地震、津波などの自然災害の影響が少ないと言われ、安定して発電を続けることができる」とした。
また、「2016年に日本初となる浮体式洋上風力発電設備が実用化され強力な発電力を示している」と紹介。「現在のところは洋上風力発電所の建設コストは割高であるものの、技術の成熟に伴い全体のコストは設備数の増加に伴い急速に平準化されていくだろう」とし、「同じ設備なら陸上よりも海上の方が発電効率が高く、普及すれば火力発電設備よりも単価が安く、環境にも優しい」と述べた。
文章は、「これまで日本の再生可能エネルギーは太陽光に偏っていた。21年度の発電量では太陽光が9.3%を占めたのに対し、風力発電はわずか0.9%だった」と指摘。「世界第6位の排他的経済水域(EEZ)と領海を持つ海洋国家である日本の洋上風力発電の可能性は、他の再生可能エネルギーと比べて圧倒的と言える。これは日本の地場企業の技術支援と国内外が足並みをそろえて事業化を進めてきたことによる」とした。
そして、「大規模な事業化により従来型の発電に取って代わるという流れは顕著になっており、例えば中国の水深100メートルを超える場所では日本の技術が使われているほか、太平洋への進出も期待されている」と説明。「将来、浮体式洋上風力発電は主要な再生可能エネルギーになるのか、注目される」と結んだ。(翻訳・編集/北田)